“来季昇格できない”沼津がJ3首位に! 彼らはなぜ熱く、勝利へ邁進できるのか

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年09月19日

4位・富山との上位対決は2-0の勝利。

22試合を終えて暫定首位に立った沼津。来季のJ2ライセンス取得の見込みはないが、躍進を続ける。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 J3に『下からの風』が巻き起こっている。23節を前にして、17チーム中の首位はブラウブリッツ秋田で、2位がアスルクラロ沼津。いずれも2018シーズンのJ2ライセンスを取得する見込みが立っていないクラブだ。J3からJ2への自動昇格枠は『2』だが、両クラブがこのまま走れば昇降格枠は『0』になる。

 
 沼津は2014年に地域リーグからまずJFLに入会。J3発足によってクラブが抜け、JFLの枠が空いたことによる昇格だった。昨季のJFLで年間3位の成績を収めて昇格し、今季はJ3初年度を迎えている。とはいえチームを取り巻く状況は吉田謙監督が「Jリーグ全体の中でも下位の下位の下位の悪環境」と語るレベルだ。午前中にボールを蹴り、午後は仕事に向かうというサイクルで、選手たちは生活している。
 
 17日の23節、沼津は愛鷹広域公園多目的競技場にカターレ富山を迎えた。富山は沼津から勝点5差の4位。こちらにとっても4年ぶりのJ2復帰に向けて、上位を叩かねばならないという大一番だった。
 
 台風18号の影響でスタジアムには強烈な風が吹き荒れており、ピッチサイドの看板はすべて撤去。バックスタンドと両ゴール裏の芝生席は入場禁止で、チームフラッグも掲揚されていなかった。
 
 風上を取った沼津が、試合の立ち上がりからラッシュをかける。沼津の先制点は開始45秒。相手のパスを中盤で奪って右サイドに運び、白石智之がクロスボールを送る。上手く裏を取った青木翔太が、ボレーを合わせた。
 
 吉田監督の妙手が先制点につながった。クロスを上げた白石智之は「左で出るはずだったけれど、相手が(中村)亮太の対策をしてきたので右サイド(MF)に入った」と振り返る。空中戦の強い中村に対して、富山は左SBに柳下大樹を起用する対策を採っていた。その裏を突いた試合直前の『サイド入替』が先制点につながった。
 
 後半は逆に強い向かい風を受けることになったが、押し込まれつつ隙を見せない試合運びで逃げ切った。経営規模や「J2で6年戦ったクラブを倒した」という事実を見ればジャイアントキリングかもしれないが、沼津が戦術と内容の両面で上回った2-0の完勝だった。
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