【岩本輝雄のオタクも納得!】リーグ10戦無敗で年間勝点4位の大宮。ただ、“弱点”も…

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2016年10月31日

家長がボールを収めた瞬間、時間が止まったように感じるね。

ひとりだけ次元が違った家長。一つひとつのプレーに余裕があり、大宮の攻撃に絶妙なアクセントをもたらしていた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 来季のACL出場の可能性もある「年間4位」を争う柏対大宮は、アウェーの後者が2-1で勝利を収めた。
 
 前半は完全にペースを握っていた大宮はシンプルな4-4-2だけど、2トップの一角を務める家長が本当に効いている。前線で張るわけでなく、良い意味でフラフラしながら中盤に降りてきて、相手からすれば嫌な位置に顔を出して、味方からパスを受ける。
 
 なんと言っても、一つひとつのプレーに余裕がある。独特の雰囲気というか、ボールを足もとに収めた瞬間、時間が止まったように感じるんだ。ひとりだけ次元が違う彼の存在が、絶妙なアクセントとなっていた。
 
 そしてもうひとり、目立った活躍を見せていたのが、ボランチの横谷だ。基本的にはセンターに陣取り、相手の攻撃に“睨み”をきかしながらも、スッとタッチライン際に出ていってパスを引き出す。そのタイミングとポジショニングは非常にセンスがあって、攻撃をスムーズにしていた。
 
 その横谷が外に出れば、右サイドの江坂が中に入ってくるコンビネーションもあり、左サイドの泉澤はキープ力があって、タメを作れる。FWのムルジャは空いたスペースや相手の背後を突く動きが上手い。良い飛び出しからチャンスメイクしていた。
 
 とにかく、大宮の攻撃陣は距離感が良かった。ボールをキープすれば、3人か4人が7メートルぐらいの間隔を保ちながら、ダイレクトやツータッチでテンポ良くボールを動かしていく。
 
 もっとも、流れの中で得点できたわけではなかったけど、セットプレーとPKで確実にゴールを奪える強さも、今の大宮の魅力のひとつだろう。
 
 守備に関してはもともと定評のあるチームだから、“守るぞ”とスイッチが入った時の集中力の高さはお見事。左右に振られても、しっかりとスライドして、柏のパスワークに対応していた。
 
 ただ、その連動性に優れる守備が、逆に「課題」になる場合もあった。
 
 例えば、相手がショートパスを使って、右から左へとサイドを変えてくる際、パスコースを消しながらボールサイドに個々がスライドしていく。当然、逆サイドのSBも絞ってくるけど、ここで一発、長い距離のサイドチェンジを喰らうと、その絞ってきたSBの裏を取られるシーンが何度かあった。
 
 息の合った守備の連動性がアダとなる――このあたりの課題を解消できれば、優勝争いに絡めるチームになってくるかもしれない。
 
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