天才アタッカーの実像――久保建英とはいかなるプレーヤーなのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2016年09月13日

単純なドリブル技術なら久保以上の選手は日本に何人もいるが……。

現在は、U-16日本代表としてインドで開催されるU-16アジア選手権に帯同中の久保。早ければ10月にもJリーグデビューか。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 いよいよFC東京でのトップチーム登録(2種登録)が秒読みとなった久保建英。ともすれば、“バルサ育ち”というイメージだけで語られてしまいがちだが、そのプレースタイルやパーソナリティはいかなるものか。小学生時代から彼の動向を追いかけてきたライターが分析する。
文:川端暁彦(フリーライター)
 
――◆――◆――
 
 リオネル・メッシのようでいて、しかしメッシではない。
 
 アンドレス・イニエスタを想起させる瞬間もあるが、本質的にはやはりストライカーである。
 
「天才」という言葉で簡単に片づけられがちな選手だが、久保建英が少々変わった感覚の持ち主であることは間違いない。
 
 FIFAの決定によってバルセロナ退団を余儀なくされ、久保が日本へ帰って来てから1年半が過ぎた。
 
 帰国当初にプレーしたFC東京U-15むさしでは主に2シャドーの右に入ったが、当時からなにより目を惹いたのはボールを受ける動きの巧緻性だった。運動「量」という意味では、むしろ凡庸な部類に入ると思うが、相手2ライン(DFとMF)の間に瞬間的に落ちて受ける感覚は絶妙そのもの。誰より目立つ存在だっただけに、対戦相手も厳重に久保を監視するのだが、まさに「ひょいっ」という表現が相応しい最小限の動きから、前を向いてボールを受けるオフ・ザ・ボールの質は恐ろしく高かった。
 
ただ、こうした特長は小学生時代に観た時から備わっており、バルサで教え込まれたというよりは、元来持っている感覚なのだろう。
 
 そうして前を向いた状態から繰り出すドリブルは軽快で、鋭さもある。背筋を伸ばして視野を確保し、相手DFの対応を観察しながら緩急を織り交ぜて抜いていく。
 
 しかし、おそらく単純なドリブルのテクニックなら、久保以上の選手は日本に何人もいるだろう。ただ、彼のドリブルはコース取りがとにかく上手い。目の前の敵を抜くことに特化したドリブル(日本の中学生のドリブラーはこのタイプが多く、高いレベルになるとサイドでしか生きない)ではなく、スペースを見ながらのドリブルで、あっさりとボールを危険地帯まで運んでしまうのだ。
 
 見えているから、抜きにかかったあとでもパスの選択肢が残っている。それもまた、対峙するDFにとっては「怖さ」を感じる部分に違いない。
 

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • ラグビーダイジェスト
    10月25日発売
    完全保存版
    ワールドカップ2019
    大会総集編
    全試合を徹底詳報!
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト11月28日号
    11月14日発売
    冬の移籍マーケット
    Jリーガー、欧州組etc
    注目株30人の
    「去就大予測」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    11月7日発売
    バロンドール候補から
    知られざる実力者まで
    世界を沸かせる
    最新「HOT 100」
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.28
    7月10日発売
    「インターハイ選手名鑑」
    男子出場52校・1040選手の
    顔写真&プロフィールを網羅
    企画満載で女子出場16校も!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ