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【北中米W杯出場国紹介|第5回:キュラソー】百戦錬磨の指揮官が欧州基準の戦術的秩序をもたらす。ビッグサプライズを起こしてもおかしくない

カテゴリ:ワールド

河治良幸

2025年11月28日

ブロックのスライドや縦方向の連動性を徹底

初のW杯出場を果たしたキュラソー。予選を3勝3分けの無敗で突破した。(C)Getty Images

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 地図を広げれば、点のように見える南カリブ海の島国が、サッカーの“世界最大の舞台”にたどり着いた。

 北中米カリブ海予選を勝ち抜いたキュラソーの人口は約15万人。2018年のロシア大会に出場したアイスランドの33.5万人(当時)を大きく下回る、“W杯最少国”となる。

 日本プロ野球の東京ヤクルトスワローズなどでホームランを量産したウラディミール・バレンティンの出身国でもある。スポーツ全般で身体能力の高いアスリートを輩出してきた背景が、サッカーにも活かされている。

 オランダ王国を構成する一地域だった歴史を経て、1958年のスウェーデン大会から「オランダ領アンティル」として予選に参加し、2014年のブラジル大会からは「キュラソー」に。18回目の挑戦で手にした本大会の切符は、まさに悲願と言っていい。

 今回の北中米カリブ海の予選は、開催国枠でアメリカ、メキシコ、カナダが免除され、そのほかの国々でわずか3.5枠を争うレギュレーションだった。キュラソーのグループはジャマイカ、トリニダード・トバゴ、バミューダ諸島が同居する組み合わせだったが、格上と見られたジャマイカにホームで2-0と勝利し、予選突破のかかったアウェーの最終決戦もスコアレスドローで乗り切った。
 
 最終的な予選成績は6試合で3勝3分けの無敗。失点はわずか3という堅守ぶり。その功労者が、元オランダ代表監督のディック・アドフォカートだ。ヨーロッパのクラブや代表の監督を歴任した百戦錬磨の指揮官は、キュラソーに欧州基準の戦術的秩序を持ち込んだ。オランダが伝統とする4-3-3を軸に、ブロックのスライドや縦方向の連動性を徹底。守備の安定は、まさにアドフォカートの手腕を象徴している。

 その戦い方を支えるのは、キュラソーにルーツを持ちながら、旧宗主国のオランダなど、欧州で生まれ育った選手たち。近年の代表強化の流れは明確で、自国生まれの選手の育成と並行して、欧州主要リーグの経験を持つ選手を継続的に招集。チーム力を底上げした。

 FIFAランキングは2015年12月に151位だったが、現在は82位。わずか10年での目を見張るジャンプアップは、育成とスカウティング、そして欧州組の流入が相乗効果を生んだ結果と言える。
 
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