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【北中米W杯出場国紹介|第1回:カーボ・ヴェルデ】ブルーシャークスの奇跡。彼らのサッカーはまるで音楽のようだ

カテゴリ:ワールド

河治良幸

2025年10月25日

知る人ぞ知るアフリカの楽園

初のW杯行きを決めたカーボ・ヴェルデ。人口はおよそ60万人。国土面積では史上最小の出場国でもある。(C)Getty Images

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 大西洋の真ん中に、地図を拡大しないと見えないほどの小さな群島がある。ポルトガル語を公用語とするこの国、カーボ・ヴェルデ共和国は、アフリカ大陸の西約600キロに位置する火山島群だ。

 人口はおよそ60万人。乾いた風が吹くこの島々では、豊かな農業も資源もない。それでも、海と音楽、そして人々の誇りがある。かつて奴隷貿易の中継地だったこの土地は、今や「希望と記憶の群島」と呼ばれる。統計によると、年間約118万人の観光客がこの国を訪れる。知る人ぞ知るアフリカの楽園だ。

 バスケットボールのファンには、沖縄も開催地の1つとなった2023年のFIBAバスケットボール・ワールドカップでの奮闘が記憶に残っているかもしれない。今度はついに、サッカーで歴史を作る時が来ているのだ。

「ブルーシャークス」の愛称を持つカーボ・ヴェルデ代表が、北中米W杯の出場権を獲得したのは、アフリカ予選グループDの最終節だった。同予選では初戦でアンゴラに引き分け、第3節ではカメルーンに1-4で敗れた時点で、この小国の躍進を予想する人はほとんどいなかったかもしれない。

 しかし、そこから怒涛の進撃を見せた。アンゴラにはアウェーで2-1と競り勝ち、ホームのカメルーン戦で1-0の勝利。アウェーで惨敗した強豪を相手に雪辱を果たした。
 
 勝てば本大会出場が決まるホームでのエスワティニ戦。48分にエースのダイロン・リブラメント(カーザ・ピア)が先制点を奪うと、1万5000人収容のスタジアムを埋め尽くしたファンが爆発した。さらにウィリー・セメド(オモニア・ニコシア)が追加点を挙げ、後半アディショナルタイムにはストピラ(トレエンセ)がダメを押す。

 3-0の快勝でカメルーンを2ポイント差で振り切り、史上初のW杯出場を決めた。この結果、カーボ・ヴェルデはW杯史上2番目に人口の少ない出場国となった。2018年ロシア大会のアイスランドに次ぐ小国の快挙であり、国土面積では史上最小の出場国でもある。

 カーボ・ヴェルデの基本システムは4-2-3-1。だが、数字に縛られない自由さこそが彼らの持ち味だ。中盤から前線にかけての動きは非常に流動的で、チャンスが見えた瞬間に4人、5人とゴール前へ飛び込む。ボランチもコースさえ空けば、遠い位置から積極的にミドルシュートを放ち、左右のサイドバックは中盤の脇まで流れて攻撃に関わる。右のスティーブン・モレイラ(コロンバス・クルー)は、ドリブルで敵陣深くまで進入する攻撃のキーマンだ。

 キャプテンを務めるのは、ライアン・メンデス(ウードゥルFK)。36歳で迎える本大会は、彼にとって集大成の舞台だ。代表最多キャップを誇る経験豊富な司令塔は、チームの精神的支柱であり、攻撃の味付け役でもある。セメドも欠かせない。左サイドから敵陣を縦横無尽に走り、インサイドへ入り込んで崩しを担う。
 
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