【岩本輝雄のオタクも納得!】車屋の献身的な姿勢に見るフロンターレの盤石の強さ

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2016年06月13日

“当たり前のことを当たり前にこなす”車屋は絶対に不可欠だ。

目立つタイプではないかもしれない。しかし、どんな状況でも与えられた仕事をミスなくこなす車屋の存在は、今季のフロンターレの強さを下支えしているのは間違いない。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 2位のアントラーズが猛烈な追い上げを見せるなか、ステージ制覇のためには負けられないフロンターレは、マリノスとのアウェーゲームを2-0でしっかりと勝ち切り、首位の座を守った。
 
 まずは守備という感じで試合をスタートさせたマリノスに対し、フロンターレは序盤から持ち前のポゼッションで主導権を握る。改めてここで言うまでもなく、フロンターレの狭いエリアでパスを回す技術は抜群。選手たちは流動的に動きながら、テンポ良くボールを動かして相手のマークを剥がし、前を向く。
 
 ふたつのゴールシーンは、相手のパスミスをかっさらったネットのミドルと、マリノスの喜田のファウルで得たPKを大久保が沈めたもので、完全に崩し切ったわけではない。とはいえ、フロンターレの今の充実ぶりがうかがえる結果と内容だった。
 
 それにしても、ネットの一撃はコースといい、スピードといい、見事だったね!
 
 ある意味、苦しみながらも勝点3を上積みできたわけだけど、このマリノス戦で最も目を引いた選手が、フロンターレの左SB、車屋だ。
 
 先制点は、彼の果敢な突破を起点に生まれたものだった。左サイドの深い位置までドリブルで持ち運び、対応に来たDFにぶつけることなく、クロスを供給。これは相手にクリアされたけど、先述したとおり、マイボールにしたマリノス側がビルドアップで失敗したところを、ネットが抜け目なくゴールにつなげている。
 
 ただ、車屋の攻撃面での見せ場はこのシーンぐらい。特に後半はマルティノスの対応に重点を置いた印象で、効果的と言えるオーバーラップはほとんどなかったんじゃないかな。
 
 もっとも、守備の部分では1対1で粘り強く、SBとして非常に安心して見ることができた。隙のないディフェンスで相手の突破を簡単には許さず、奪ったボールは確実に味方につなげて、状況に応じて前に出て行き、攻撃陣をサポートする。
 
 プレーの内容は、特別なものではない。でも、ミスをしないで、当たり前のことを当たり前にこなす。それは目立たないし、観客を沸かせるわけでもなければ、新聞の見出しも飾れないけど、チームにとって車屋は絶対に不可欠な存在だったのは間違いない。
 
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