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「サッカーを辞めてしまおうと...」ブレイク中の湘南FW福田翔生が語る“血反吐を吐く想いだった”過去【インタビュー前編】

カテゴリ:Jリーグ

岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

2024年07月11日

幼少期はサッカーに真面目な“悪ガキ”

今季チーム内2位の6ゴールとブレイク中の湘南FW福田。スピードと献身性に秀でた点取り屋だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2019年、地元の強豪校、東福岡高校を卒業し、当時JFLのFC今治に加入。翌年、チームはJ3昇格を果たし、シーズンごとに着々と順位を上げていくなかで、福田翔生は満足な出場機会を得られず、もがき苦しんでいた。

 22年末に今治との契約が満了――いわゆる“クビ”を経験した後、Y.S.C.C.横浜へ加入した。すると、わずか半年で湘南からのオファーを勝ち取り、J1の舞台へ這い上がる。その背景にはどんな想いがあったのか。23歳の湘南のシンデレラボーイが自身のキャリアを回想したインタビューの前編をお届けする。

――◆――◆――

 2023年、Y.S.C.C.横浜に“拾ってもらった”福田は、8月中旬までの21試合で11ゴールを記録。すると彼のもとには、湘南ベルマーレから完全移籍の誘いが舞い込んできた。そして湘南で初のJ1を戦った半年を経て迎えた今季、8節の横浜F・マリノス戦でJ1初得点を挙げると、その後に出場したリーグ戦8試合で5ゴールを挙げ、一気に注目度を高めた。

 いわゆる「パリ五輪世代」に当たる23歳だが、代表招集の経験はなく、湘南に辿り着くまでのプロとしての5年間は、サッカーを辞めるか、続けるかの綱渡りのような旅路だった。

 そんな福田が負のサイクルから脱出できた背景には、幼少期から支え続けてくれた家族の存在があった。

 01年3月23日、福岡県北九州市の小倉区に生まれた福田(以下・翔生)は、先にサッカーを始めていた兄・湧矢(現・ガンバ大阪)に憧れて、双子の兄・凌生(現・KMGホールディングスFC)とともに地元の小倉南FCに入団する。

「サッカーを始めたのは、幼稚園の年中か年長くらいですね。兄ちゃん(湧矢)がサッカーをやっていて、めちゃくちゃ上手かったんですよ。それを見て、俺もやりたいなと思い、双子(凌生)で『一緒にやるか!』と。お父さんは野球をやっていたので、僕ら兄弟にも絶対に野球をやらせるって言っていたんですけど(笑)、サッカーをやるのに反対された記憶はそこまでないですね。多分、兄ちゃんが上手かったから、ここから野球をやらせるのは無理だなと思ったんじゃないかなと」
【PHOTO】勝利を願い選手と共に闘った湘南ベルマーレサポーター
 
 地元で名を馳せていた兄・湧矢と切磋琢磨しながら、翔生も日々、成長。サッカーにのめり込んでいく一方で、私生活では“やんちゃ”な面も見られた。

「サッカーだけはすごく好きで、真面目にやっていましたけど、どんな子どもかと言われれば、めっちゃ“悪ガキ”って感じでしたね(笑)。すぐにイタズラするし、外をほっつき歩くし、ちょっと時間があったら騒いでいるし...色んな人に怒られた記憶があります」

 ただ、他人に迷惑をかけることは多少あったかもしれないが、サッカーを続けてこられたのは周囲の温かいサポートがあったからだった。

「中学生まで小倉南FCでプレーしていましたが、そこがすごく良いクラブでした。監督の野口(英昭)さんが素晴らしい方で、ドリブルに重きを置く技術的な面はもちろん、人間性の部分でも教わるものが多かった。サッカーの面でも、人間的な面でも、僕の原点になった場所です。厳しすぎない、自由な環境でのびのびとサッカーを楽しめたのは大きかったと思います。

 あとはもちろん、両親の教育もあります。人に優しくする、人のことを馬鹿にしたりせず、大切にする姿を見せてくれましたし、その背中を見て育ちました」

 そして翔生から“悪ガキ”の要素が取り除かれたのが、高校時代だ。小倉南FCに加入した時と同様に兄・湧矢を追って地元の強豪校・東福岡高校に進学。そこで目にしたのは、自由な環境で生きてきた翔生にとって衝撃的な縦社会だった。
 
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