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町田対筑波大で怪我人続出...“フェアプレー”をどう捉えていくべきか。日本サッカーの命運を左右する重要なテーマだ

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2024年06月19日

黒田監督の問題提議

怪我人が多く出た天皇杯2回戦の町田対筑波大。改めて日本での“フェアプレー”を考える。写真:滝川敏之

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 天皇杯2回戦で筑波大に敗れたFC町田ゼルビア・黒田剛監督の対戦相手への批判発言が尾を引いている。

 この試合では町田の4選手が負傷し、途中からプレーを継続することができなくなった。黒田監督は、うち3人の故障が「全てレイトタックルによるもの」だと断じ、「足にいった危険なタックルをなかったこととして風化させていくことがサッカー界にとってどうなのか」と問題を提議した。

 一方で黒田監督に指導の是非まで問われた筑波大の小井戸正亮監督は、3日後の関東大学リーグの試合後に報道陣に囲まれて話したそうである。

「たぶん私は日本で一番ビデオを見返したと思いますが、ラフプレーで3人も4人も負傷したということではないと判断しています。決してダーティなものやラフプレーを容認したり勧めたりしているわけではない。一生懸命にプレーした結果です」

 こうして見解の異なる両監督のコメントがクローズアップされ、いつまでも大量の野次馬を引き込み、ネット上が騒々しいのは、主催者のJFAが傍観を貫いているからだ。
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 黒田監督の主張の正当性はともかく、この試合で看過し難い事故が連鎖したことは間違いない。被害に遭ったチームの監督が声を挙げ、批判された指揮官は誹謗中傷に晒された選手たちを守るために発言をしている。幕引きをするには、JFAが明確な指針を示す必要がある。

 このレベルの試合になれば「日本サッカーの向上を具現化させる機能を持つ」マッチコミッサリーが派遣される。マッチコミッサリーは「審判員と試合中の出来事について検証し反省会を行ない、必要ならば各チームの監督等と試合中の出来事について討議し(中略)審判のコメントを集め、規律フェアプレー報告書にまとめる」責務を負う。

 つまり報告書は、日本サッカー向上を目的に作成されるわけなので、当然開示されなければ意味がない。まして今回の一件は、いつになく世間の注目を集めている。

 JFAが目ざすフェアプレーとはどういうものなのか。ファンも含めて一緒に考えていく格好の機会だ。まして黒田監督は事実上「レイトタックル」と指摘する行為が指導次第で止められるものだと主張しているのだから、技術委員会としても正否の見解は避けて通れないはずだ。
 
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