プレスで相手を苦しめ、スプリントで味方にスペースを提供。
4日前のシャルケとのルール・ダービーで鮮烈なループシュートを決めた香川だが、ドイツ・メディアのあいだでベンチスタートが有力視されていた。
しかし、ドルトムントのトゥヘル監督は、リバプールとのヨーロッパリーグ(EL)準々決勝・第2レグに、その日本代表MFをスタメンとしてピッチに送り込んだ。
4-1-4-1システムの左インサイドハーフに配された香川は、立ち上がりから敵陣の深い位置への侵攻に成功する。
まずは2分、DFラインの裏に抜け出すと、ゴールラインぎりぎりのところから中央にラストパスを供給。このボールは味方に通らなかったが、質の高い動き出しで大きなチャンスを作りかけた。
先制点の起点となったのは、そのわずか3分後だ。
ハーフウェイラインを越えたあたりでパスを受けると、バイタルエリアまでドリブルで突き進む。そして、相手2人を十分に引きつけてからフリーのカストロにパスを通し、最後はムヒタリアンがこぼれ球を詰めることになるゴールのきっかけを作った。
32分には、香川自身にゴールのチャンスが到来する。カストロの浮き球のパスに反応し、エリア内からヘディングシュート。これはリバプールの守護神ミニョレに難なくキャッチされたものの、改めて動き出しの良さを見せつけた。
2点リードで迎えた後半はリバプールの攻勢が強まり、香川もディフェンスに奔走せざるをえなくなる。それでも一切の手抜かりはなく、絶えず動き回っては相手のパスコースを遮断。ボールを奪い切れなくてもプレスをかけ続けることで、敵にスムーズなビルドアップを許さなかった。
そうした献身的な働きは確実に効いていたはずで、実際、リバプールのボランチを務めたジャンなどは、何度か繋ぎの局面で軽率なミスを犯していた。
もちろん、守備だけに精を出していたわけではない。冴えていたのはボールを保持していない時の動きだ。ここぞという場面でスプリントしては味方のパスコースを広げる黒子的な働きを、77分に交代するまで懸命に繰り返していた。
確かに、ダービーの時のような目に見えるような結果は残せなかった。しかし、サボることなくチームプレーに徹していた香川がピッチを退いた後、ドルトムントが逆転負けを喫したのは必然だったのかもしれない。
文:遠藤 孝輔
◎EL準々決勝・第2レグ結果
リバプール 4-3(1-1) ドルトムント
シャフタール・ドネツク 4-0(2-1) ブラガ
スパルタ・プラハ 2-4(1-2) ビジャレアル
セビージャ 1(5PK4)1(2-1) アスレティック・ビルバオ
※括弧は第1レグのスコア
準決勝進出チーム:リバプール、シャフタール・ドネツク、ビジャレアル、セビージャ
しかし、ドルトムントのトゥヘル監督は、リバプールとのヨーロッパリーグ(EL)準々決勝・第2レグに、その日本代表MFをスタメンとしてピッチに送り込んだ。
4-1-4-1システムの左インサイドハーフに配された香川は、立ち上がりから敵陣の深い位置への侵攻に成功する。
まずは2分、DFラインの裏に抜け出すと、ゴールラインぎりぎりのところから中央にラストパスを供給。このボールは味方に通らなかったが、質の高い動き出しで大きなチャンスを作りかけた。
先制点の起点となったのは、そのわずか3分後だ。
ハーフウェイラインを越えたあたりでパスを受けると、バイタルエリアまでドリブルで突き進む。そして、相手2人を十分に引きつけてからフリーのカストロにパスを通し、最後はムヒタリアンがこぼれ球を詰めることになるゴールのきっかけを作った。
32分には、香川自身にゴールのチャンスが到来する。カストロの浮き球のパスに反応し、エリア内からヘディングシュート。これはリバプールの守護神ミニョレに難なくキャッチされたものの、改めて動き出しの良さを見せつけた。
2点リードで迎えた後半はリバプールの攻勢が強まり、香川もディフェンスに奔走せざるをえなくなる。それでも一切の手抜かりはなく、絶えず動き回っては相手のパスコースを遮断。ボールを奪い切れなくてもプレスをかけ続けることで、敵にスムーズなビルドアップを許さなかった。
そうした献身的な働きは確実に効いていたはずで、実際、リバプールのボランチを務めたジャンなどは、何度か繋ぎの局面で軽率なミスを犯していた。
もちろん、守備だけに精を出していたわけではない。冴えていたのはボールを保持していない時の動きだ。ここぞという場面でスプリントしては味方のパスコースを広げる黒子的な働きを、77分に交代するまで懸命に繰り返していた。
確かに、ダービーの時のような目に見えるような結果は残せなかった。しかし、サボることなくチームプレーに徹していた香川がピッチを退いた後、ドルトムントが逆転負けを喫したのは必然だったのかもしれない。
文:遠藤 孝輔
◎EL準々決勝・第2レグ結果
リバプール 4-3(1-1) ドルトムント
シャフタール・ドネツク 4-0(2-1) ブラガ
スパルタ・プラハ 2-4(1-2) ビジャレアル
セビージャ 1(5PK4)1(2-1) アスレティック・ビルバオ
※括弧は第1レグのスコア
準決勝進出チーム:リバプール、シャフタール・ドネツク、ビジャレアル、セビージャ
Facebookでコメント
-
【4月27日(日)開催】サッカー界のレジェンド、釜本邦茂氏監修によるサッカー教室が鹿児島で開催。参加してくれる小学生を募集中!締切りは4月13日(日)まで
-
WOWOWが無料配信! 薮宏太、槙野智章、林陵平、ウエストランド井口浩之が共演する“欧州サッカー愛全開”の特別番組『チャンピオンズリーグダイジェスト!特別編~CL準々決勝直前プレビューSHOW~』
-
ザ・ダグアウト、メッシ選手と独占サイン会を実施 "世界限定22枚" 公認の直筆サイン入りグラフィックアートを販売開始!!
-
【公式SNS】取材現場から直ポスト。ツイッターに『サカダイ中の人』アカウント新設! インスタでは未公開写真もアップしています