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森保Jの大きな武器に?“ロングボール”の有効活用→連動性ある崩しで仕留める。北朝鮮戦の先制点を徹底分析

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2024年03月23日

堂安が折り返し、田中がフィニッシュ

伊藤(写真)のロングボールが起点に。日本は開始2分に奪った1点を守り抜き、北朝鮮に勝利した。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

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 森保一監督が率いる日本代表は、ホームで朝鮮民主主義人民共和国に1-0で勝利。ワールドカップのアジア2次予選で3連勝となった。

 2分に田中碧のゴールでリードを奪った日本は、その後も前半だけで多くのチャンスを作りながら1-0のまま、迎えた後半に北朝鮮の攻勢にあい、終盤は5バックにして逃げ切った。

 ある種、自分たちから難しくしてしまったゲームとも言えるが、センターバックで90分奮闘した町田浩樹が「前半の入りだけで言ったら100点に近い」と振り返るぐらい、スタートが良かったのも確かだ。

 得点シーンにはまさに日本の狙いと選手たちの特長が凝縮されていた。3バック、5バックという予想もあったなかで、4-4-2でスタートしてきた北朝鮮に対して、日本は右サイドバックの菅原由勢から板倉滉、町田、左の伊藤洋輝と最終ラインでボールを左に繋いで、北朝鮮のコンパクトな3ラインを揺さぶる。

 伊藤にボールが渡ったところで、右サイドハーフのペク・チョンソンがプレッシャーをかけてくると、ボランチの田中が左外に開いて縦パスの受け手に。そのタイミングで、左前方の前田大然が縦に走り出した。

 伊藤が左足で前線に送ると、前田は北朝鮮の右サイドバックであるキム・キョンソクにコンタクトで倒されてしまう。一度マイボールにされるが、前田が素早く立て直してチャレンジに行き、こぼれたボールをFWの上田綺世が拾った。
 
 そこから上田が前にボールを持ち出すと、北朝鮮は2人(キム・キョンソクとチャン・グクチョル)がタイトに付いて、ボールを奪い返そうとする。その動きによって生じた手前のスペースに、田中が潜り込んでいた。

「綺世がディフェンス2枚引きつけて...ヒールかな。その前に目が合ったので、来るかなと。あまり顔を出さずに、そこで待ってても来るかなと思って。すごく良いパスをくれたので」

 そう振り返る田中は左のコーナー側まで持ち上がった上田から文字通り、絶妙なチップキック気味のヒールパスを受けると、田中が「リツがファーにいるのは見えてました」と振り返るように、ファーサイドで待つ堂安律に左足のクロスボールを送り込んだ。

 田中としては堂安の直接のシュートをイメージしていたようだが、実際はヘッドで折り返されたボールが、センターに走り込む南野拓実に届く。

 南野が至近距離で放った右足のボレーシュートはセンターバックのキム・ユソンにブロックで弾かれたが、右前にこぼれたボールに反応した堂安が右足で再び折り返し、ちょうど空いていたマイナスコースのポケットに左から田中が入り込み、鮮やかな右足のシュートをゴール右に突き刺した。

 田中は「マイナスが空いてたので、そういう意味では、良いボールをくれたので、あとは決めるだけだったかなと思います」と語るが、流れのなかで空く場所がイメージできていたからこそのゴールだろう。

【PHOTO】日本代表の北朝鮮戦出場16選手&監督の採点・寸評。及第点を上回ったのは4人、最高点は決勝弾の田中碧
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