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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』 其の六十四「岡崎こそが“戦術”! 彼を基準に日本代表は作られるべきだ」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年03月28日

機能していたアフガン戦の日本。確実に一歩前進を遂げていた。

当然の大勝を遂げたアフガン戦。スコアや戦術よりも重要な部分に気付かされることとなった。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月24日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、ロシア・ワールドカップのアジア2次予選で、アフガニスタンを5-0で破った。
 
 相手があまりに弱すぎ、「世界」との距離感そのものは見えにくかったものの、グループ2位以内での最終予選出場を確定。これでまた一歩、本大会出場に近づいたことになる。
 
 日本はこの試合、中盤をダイヤモンド型にした4-4-2という「新しいシステム」で挑んだ。5得点・無失点だったのから、成果があったと言えるかもしれない。
 
 ただあくまでも、相手が弱小チームだったからこその、超攻撃的なシステムだった。実際に試合は、攻撃練習の様相を呈し、守勢に回ることはほとんどなかった。
 
「新しいシステム」は話題になったが、遠慮なく言えば、高いレベルでは使えるものではないだろう。中盤がダイヤモンド型でアンカーに長谷部誠という布陣は、強豪と相対するワールドカップ本大会では自殺行為に近い。守備の時間帯を一切、考慮していないのだ。
 
 もっとも、ハリルホジッチ監督は相手に応じて妥当な手を打ったと言える。戦略や戦術は対戦相手によって変化する、というのは定石。強豪を相手にした時には、異なるオプションがあるのだろう。
 
 今予選、ホームで引き分けに終わったシンガポール戦では、相手が守備のバリケードを作っているところへ無闇に攻め込み、攻め急いで失敗に終わっていた。「縦に速く攻める」という指揮官の狙いを、選手が無邪気に守ろうとしすぎていたのである。
 
 一方、アフガニスタン戦では攻め急ぐ印象はなく、判断の誤りと細かいミスでシュートまでいけないシーンも多かったとはいえ、プレーそのものは機能していた。
 
 この試合について、「もっと点を取れた」という批評は的外れなものだ。たとえアフガニスタンに20-0で勝っても、フランスやイタリアに勝てる確証にはならない。大事なのは内容で、チームは確実に一歩前進していた。
 
 なかでも光彩を放ったのは、2トップの一角を張った岡崎慎司である。
 
 プレミアリーグで首位争いリードするチームの主力選手がどういうものかを、岡崎ははっきりと示した。
 
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