「色んなところに物語性がある」
日本と、サッカーの本場とされるイギリスでは、プレースタイルはもちろん、報道や解説でも大きな違いを感じる。例えば、日本と比べ、記事内では比喩や文学的な表現が頻発し、解説陣は歯に衣着せぬ辛辣な発言が多い印象だ。
今回は両国の差を、大阪に自宅を構え、日本で活躍するイギリス人ジャーナリスト、ベン・メイブリー氏に尋ねた。後半には、客観的な視点で見つめる人間だからこそ分かる、Jリーグ誕生から30年、日本サッカーの進化の話が飛び出した。
――◆――◆――
――以前、ベンさんと同じように『ABEMA』でプレミアリーグ中継を担当しているハーフナー・マイクさんが、「日本人の解説者は戦術面を説明する一方で、海外の解説はよりフランクで、豆知識を入れたりする印象がある。対照的な感じがする」と話していました。ベンさんは解説面で違いを感じますか?
今回は両国の差を、大阪に自宅を構え、日本で活躍するイギリス人ジャーナリスト、ベン・メイブリー氏に尋ねた。後半には、客観的な視点で見つめる人間だからこそ分かる、Jリーグ誕生から30年、日本サッカーの進化の話が飛び出した。
――◆――◆――
――以前、ベンさんと同じように『ABEMA』でプレミアリーグ中継を担当しているハーフナー・マイクさんが、「日本人の解説者は戦術面を説明する一方で、海外の解説はよりフランクで、豆知識を入れたりする印象がある。対照的な感じがする」と話していました。ベンさんは解説面で違いを感じますか?
「おっしゃる通りで、こんなにフットボールが世界的に人気になったのは、もっと幅広い魅力があるからだと思います。戦術分析も大事で、いつもと違う戦術があったから、こういう試合になったというように、それが1番大きなテーマになるケースももちろんあります。それが1番の楽しみ、面白さと思っている方もたくさんいますし、一切否定もしませんけど、色々と混ぜて他の話をすることで、より多くの人にアピールできると思います。
イギリスの中継だと、最近はハーフタイムや試合前後に、スタジオで戦術分析に以前より力を入れるようにはなりましたが、初めて日本に来た時は、試合中の戦術やキックの技術などの話が非常に多くて、その他の話が少ないなと思いました。
イギリスに何10年も続いているテレビドラマシリーズがあるんですけど、フットボールもその1つだと思っています。これだけたくさんの人を魅了しているのは、物語性があるから。人によってどこに物語を感じるかはそれぞれですけど、例えばこの選手は前に怪我をしたけど復活して今こんなに頑張っているとか、この選手が地元出身で大ファンだとか、この監督が凄いキャリアを送ってきて1回失敗したけど、また面白いことをやっているみたいな。
色んなところに物語性があるので、ジャンルレスの目線を持って解説をやるんだったら、どこにストーリーがあるか敏感に感じて、それを語るのが、面白いコメンタリーになるんじゃないかなと思っています」
イギリスの中継だと、最近はハーフタイムや試合前後に、スタジオで戦術分析に以前より力を入れるようにはなりましたが、初めて日本に来た時は、試合中の戦術やキックの技術などの話が非常に多くて、その他の話が少ないなと思いました。
イギリスに何10年も続いているテレビドラマシリーズがあるんですけど、フットボールもその1つだと思っています。これだけたくさんの人を魅了しているのは、物語性があるから。人によってどこに物語を感じるかはそれぞれですけど、例えばこの選手は前に怪我をしたけど復活して今こんなに頑張っているとか、この選手が地元出身で大ファンだとか、この監督が凄いキャリアを送ってきて1回失敗したけど、また面白いことをやっているみたいな。
色んなところに物語性があるので、ジャンルレスの目線を持って解説をやるんだったら、どこにストーリーがあるか敏感に感じて、それを語るのが、面白いコメンタリーになるんじゃないかなと思っています」