【バルセロナ冬の補強動向】世界王者にこれ以上の新戦力は必要なし! というより……

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・フェルナンド・ロホ

2015年12月24日

アルダ、A・ビダルがプレー可能になり、万能な選手も多い。

南米王者を一蹴したこのイレブンが、バルサの基本のメンバー。ここに数名の新加入選手と若者がいれば、十分にリーガ、CLを戦い抜けるはずだ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 バルサは今、ある悩みを抱えている。
 
 クラブワールドカップでは圧勝し、世界一の称号を再び手にした。リーガでもトップをひた走り、負傷していたネイマールも復帰した。チャンピオンズ・リーグ連覇も十分、射程圏内にある。
 
 そんな彼らの悩みとは、移籍市場で動くかどうか? である。
 
 様々な意見がある。動くべきと考える人々が主張するのは、バルサのベンチメンバーの、意外なほどの質の低さである。
 
 先発の11人については、何も言うことはない。しかしベンチを見ると、そこにはムニル、サンドロなどの若手が並び、とてもビッグクラブのベンチとは思えない。バイエルンやレアル・マドリーのそれと比べたら、明らかに質は落ちるだろう。
 
 誰かを加えて、選手層をさらに一段階引き上げるべき――。そんな意見は根強い。
 
 しかし、私は言いたい。1月の補強はするな、と。
 
 まずひとつ目の理由。これは意外に思われるかもしれないが、バルサには金銭的余裕がない。

 昨季、三冠を達成し、先日はクラブワールドカップで優勝。文字通り、世界最強クラブのバルサ。その収入も非常に多く、マドリーに次ぐ世界第2位という数字が出ている。
 
 しかし、ここ数年で補強に投じた額は2億ユーロ超。スアレス、ラキティッチ、テア・シュテーゲン、マテュー、ヴェルメーレン、ドグラス、アルダ、A・ビダルらの獲得が、これだけの支出に繋がった。
 
 ファイナンシャル・フェアプレー制度もあって、もはや大規模な選手補強はできない。そのことは、クラブもL・エンリケ監督も承知している。
 
 ふたつめの理由は、前述したアルダとA・ビダルの加入である。FIFAの制裁により、年内は選手登録が許されなかった彼らも、1月からはプレーが可能になる。これで選手数は24人になり、負傷離脱者はラフィーニャだけ。シーズンの残り5か月を戦うのには、十分な数字だ。
 
 複数のポジションでプレーすることのできる選手が多いことも、バルサの強みである。アルダは中盤でも前線でもプレーできるし、無論、左右両サイドにも対応可能だ。A・ビダルは右サイドであれば、SBからウイングまでをカバーできる。
 
 CBとGK以外なら全てのポジションに対応可能なS・ロベルトを筆頭に、チームには万能性のある選手が多い。また、サンペールとグンバウをBチームから引き上げることで人数を増やすこともできる。
 
 今冬で中途半端な補強をすることに意味はない。基本的にクラブワールドカップ決勝のスタメン11人が、後半戦も軸となるのである。そこに、アルダとA・ビダルが加わる。もちろん、S・ロベルトもいる。これで十分だ。
 
 それでもなお、L・エンリケは選手獲得をクラブに要求するだろう。彼が欲しいのは、セルタのノリートである。しかし、これはほぼ不可能だ。違約金は1800万ユーロで、セルタはこれを下げる気はない。
 
 これくらいの額であれば、欧州の他のビッグクラブなら余裕で払えるだろう。しかし、世界最強クラブであるバルサには現在、そんな経済的余裕はないのである。そしてノリートの先日の負傷(全治1か月)が、この移籍をさらに難しくしてしまった……。
 
 バルサは1月、あまり動かずに市場の動向を窺うだろう。良いチャンスや“バーゲン品”があれば、手を出すかもしれない。しかし、そんなケースは稀だろう。
 
 世界のトップにあるクラブが、お金を出せない……。不思議な状況に、今、バルサは立たされている。
 
文:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ紙)
翻訳:豊福晋
 
【著者プロフィール】
Luis Fernando ROJO(ルイス・フェルナンド・ロホ)/スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはブライアン・ロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。

憧れのバルサ加入のために、4か月もの“休養”を受け入れたアルダ。11月のクラシコでは「こんな感情が高ぶる試合に出られないなんて……」と悔しがった彼が来年1月、満を持してピッチに立つ。 (C) Rafa HUERTA

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