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現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「マインツ指揮官が“ヨッチ”に寄せる信頼」

カテゴリ:連載・コラム

ラインハルト・レーベルク

2015年12月24日

チームの総得点23のうち15点に絡む。

シュミット監督はチームの総得点の半数以上に絡んだ武藤を「ビッグサプライズ」と称賛した。 (C) Getty Images

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 今年最後のプレス懇談会で、マルティン・シュミット監督は、シーズン開幕前にある苦悩があったことを明かした。プレミアリーグのレスターに移籍した岡崎慎司の抜けたCFの穴をどう埋めるかである。

 クラブは岡崎の後釜として3人のFWを獲得した。フロリアン・ニーダーレヒナー、ジョン・コルドバ、そして武藤嘉紀である。しかし、指揮官の不安はすぐには消えなかった。

 2部のハイデンハイムから加入したニーダーレヒナーは、頑強なフィジカルを誇っているものの、技術的にはまだ発展途上で1部で通用するレベルにはなかった。コルドバに至っては負傷の影響もあり、戦力として計算できるようになったのは最近だ。

 武藤に関してもシュミットは当初、欧州のトップリーグで結果を出すには、フィジカル面と戦術面のレベルアップが不可欠と感じていたという。また、言葉の問題に加え、初めての海外生活という点も不安要素だった。

 日本ではスターだったかもしれないが、マインツではしばらくはベンチウォーマーとしての立場を受け入れなくてはならないだろう。前半戦で4~5点挙げてくれれば御の字――。シュミットはそう考えていた。

 しかし蓋を開けてみれば、武藤が前半戦でベンチスタートだったのは、78分から出場したインゴルシュタットとの開幕戦だけ。その後の16試合はすべて先発で出場した。7得点、4アシスト。4度、ゴールの起点になったことも含めれば、マインツの総得点23のうち15点に絡んでみせた。

 そもそも武藤は、当初は本職のウインガーと考えられていたにもかかわらず、実際には常にCFで起用されてきた。身長178センチ・体重72キロの軽量級の選手が、自分より一回りも二回りも大きい重量級のCBと渡り合ってきたのである。「ヨッチ(武藤の愛称)はビッグサプライズだ。私の期待をはるかに越えてくれたよ」と、指揮官は武藤の順応性を称賛した。
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