【リーガ現地コラム】ピチーチ争いに新風を吹き込むデポルティボの急上昇FW

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2015年12月18日

来年の夏にもステップアップを果たすか。

すでにキャリア最多の11ゴールをマーク。ほぼ無名の存在だった27歳の苦労人が、ようやく才能を花開かせた。(C)Getty Images

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 リーガ・エスパニョーラで現在、最も勢いに乗っているストライカーのひとりが、デポルティボ・ラコルーニャのルーカス・ペレスだ。

 リーガ・エスパニョーラ15節、敵地カンプ・ノウで行なわれたバルセロナ戦では、1得点・1アシストの活躍。チームを引き分けに導き、貴重な勝点1をもたらした。このゴールでルーカスは、デポルティボの歴史に名前を刻んだ。リーガで6試合連続ゴール。同クラブでこの記録をマークしたスペイン人選手は、彼が初めてである。

 ここまで11ゴールをマーク。得点ランキングで首位に立つネイマールとは3点差だ。

 デポルティボという決してチャンスの多くないチームでこれだけの結果を残しているルーカスを、欧州の有力クラブが放っておくわけはない。

 今シーズン、本拠地リアソールには、とくににプレミア勢のスカウトが頻繁に姿を見せているという。直近のホームゲームでは、アーセナルのスカウトも視察。彼らの目がルーカスに向けられているのは言うまでもない。

 現在27歳、FWとしてはキャリアのピークを迎えており、来年の夏にもステップアップを果たすのではないだろうか。本領は発揮できなかったものの、13年夏にセルタからリバプールに新天地を求めたイアゴ・アスパス(現セルタ)に続き、ガリシア地方から英国への挑戦が実現する可能性は十分ある。

 バルセロナのスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』は、カンプ・ノウでのルーカスの活躍を称え、「ルーカス・メッシ」と題する記事を掲載した。このように、周囲の評価と市場価値は高まる一方だ。

 デポルティボは昨シーズン、カンプ・ノウで1部残留を決めた(最終節)。その時の記憶は当然、ルーカスの頭の中に残っている。

「カンプ・ノウには最高の思い出がある。今シーズンもいい試合になった。今回獲得した勝点1は、1部残留を果たすうえでとても大事なものだ」

 自身はゴールを量産中で、チームは6位と好位置につけているが、ルーカスが設定している目標はあくまでチームの残留。そうした謙虚な姿勢も評価されている。もちろん、それは彼だけではない。自分たちを弱者と自認するデポルティボは、試合前の1週間をバルサ対策にあて、徹底してプランを練ったという。

 その一例が、セルヒオ・ブスケッツへのプレッシングだ。
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