スタートダッシュ失敗、監督交代、そして無冠…躓いた新体制。

前線で攻撃を担った(左から)リバウド、オーフェルマルス、パトリック・クライファート。オーフェルマルスは加入1年目からチームにフィットし、左サイドでチャンスを量産した。リバウド、クライファートはチーム1、2位の得点数を記録。チーム総得点数は80とマドリーに次ぐ2番目であり、攻撃のポテンシャルは高かった。ゆえに、もし序盤のグアルディオラ欠場がなければ、という悔いが残った。 (C) Getty Images

UEFAカップ準決勝のリバプール戦。バルサは、ガリー・マカリスター(左端)が挙げた1点に泣いた。中央の24番はカルレス・プジョール。ちなみに彼は、00年秋のシドニー・オリンピックでスペインの銀メダル獲得に貢献。特にカメルーンとの決勝戦(PK戦で敗北)では、退場により2人少ない状況で彼が守備で2、3人分の働きを見せ、大いに名を上げた。 (C) Getty Images
前節の不振の責任を問われ、22年にわたって会長を務めたジョゼップ・ルイス・ヌニェスが辞任。それまで副会長だったジョアン・ガスパールが後任に選出された。
ルイス・ファン・ハールに代わる新監督は、ベティスを上位に引き上げて好評価を得ていたロレンソ・セラ・フェレール。かつてはヨハン・クライフのスペクタクルなサッカーを信奉していたこの指揮官に、バルセロニスタは大きな期待を寄せていた。
しかしガスパール会長にとって、セラ・フェレールとは自在に操れる人形のような存在であり、戦力補強の実権は自身が握り、監督はフロントから与えられた戦力を使うという一方通行の関係だった。
新会長は当時のクラブ史上最高額である4千万ユーロの移籍金でアーセナルのマルク・オーフェルマルスを引き抜いたり、ラツィオからイバン・デ・ラ・ペーニャを呼び戻したりする(レンタル)など、ファンが好みそうな選手を獲得したものの、フロント主導の補強にありがちな、戦力的な偏りが生まれてしまった。
また、それまでチームの中心であり、キャプテンまで務めたこともあるルイス・フィーゴを売りに出すこととなり、当初はラツィオやマンチェスター・ユナイテッドが有力候補だったのを、よりにもよって宿敵レアル・マドリーに6千万ユーロで売却したことは、バルセロニスタを大いに怒らせた。
戦前からいくつも問題が噴出したバルサ。その新たな航海は、いきなり嵐に見舞われた。セラ・フェレール監督の目指す「素早くサイドに展開してウイングからフィニッシュに持ち込む超攻撃的なサッカー」の中心的役割を担うはずだったジョゼップ・グアルディオラが、開幕前に負傷したからだ。
彼が不在だった12試合でわずか6勝と低空飛行を続け、11節には9位まで順位を下げる不振ぶりだった。グアルディオラが復帰してからは、プレーの質が上がり、勝利数も増やしていったものの、結局シーズンを通して2位にすら上がることができなかった。
31節、オサスナに1-3で敗れた後、セラ・フェレールは解任。後釜には、カルレス・レシャックが収まったが、最終的には94-95シーズン以来となる4位という低い順位に終わった。
不調はチャンピオンズ・リーグでも変わらず、2勝2分け2敗の成績で1次リーグ敗退。他のスペイン勢(デポルティボ、バレンシア、レアル・マドリー)が全て首位で2次リーグに進出したことが、よりバルサの敗北感と屈辱を強めていった。
1次リーグ3位でUEFAカップ出場権(3回戦から)を得、準決勝まで駒を進めたものの、後に優勝を飾るリバプールには2試合で1点も奪うことができずに敗退。新体制1年目は、無冠という無残な結果に終わったのである。
ルイス・ファン・ハールに代わる新監督は、ベティスを上位に引き上げて好評価を得ていたロレンソ・セラ・フェレール。かつてはヨハン・クライフのスペクタクルなサッカーを信奉していたこの指揮官に、バルセロニスタは大きな期待を寄せていた。
しかしガスパール会長にとって、セラ・フェレールとは自在に操れる人形のような存在であり、戦力補強の実権は自身が握り、監督はフロントから与えられた戦力を使うという一方通行の関係だった。
新会長は当時のクラブ史上最高額である4千万ユーロの移籍金でアーセナルのマルク・オーフェルマルスを引き抜いたり、ラツィオからイバン・デ・ラ・ペーニャを呼び戻したりする(レンタル)など、ファンが好みそうな選手を獲得したものの、フロント主導の補強にありがちな、戦力的な偏りが生まれてしまった。
また、それまでチームの中心であり、キャプテンまで務めたこともあるルイス・フィーゴを売りに出すこととなり、当初はラツィオやマンチェスター・ユナイテッドが有力候補だったのを、よりにもよって宿敵レアル・マドリーに6千万ユーロで売却したことは、バルセロニスタを大いに怒らせた。
戦前からいくつも問題が噴出したバルサ。その新たな航海は、いきなり嵐に見舞われた。セラ・フェレール監督の目指す「素早くサイドに展開してウイングからフィニッシュに持ち込む超攻撃的なサッカー」の中心的役割を担うはずだったジョゼップ・グアルディオラが、開幕前に負傷したからだ。
彼が不在だった12試合でわずか6勝と低空飛行を続け、11節には9位まで順位を下げる不振ぶりだった。グアルディオラが復帰してからは、プレーの質が上がり、勝利数も増やしていったものの、結局シーズンを通して2位にすら上がることができなかった。
31節、オサスナに1-3で敗れた後、セラ・フェレールは解任。後釜には、カルレス・レシャックが収まったが、最終的には94-95シーズン以来となる4位という低い順位に終わった。
不調はチャンピオンズ・リーグでも変わらず、2勝2分け2敗の成績で1次リーグ敗退。他のスペイン勢(デポルティボ、バレンシア、レアル・マドリー)が全て首位で2次リーグに進出したことが、よりバルサの敗北感と屈辱を強めていった。
1次リーグ3位でUEFAカップ出場権(3回戦から)を得、準決勝まで駒を進めたものの、後に優勝を飾るリバプールには2試合で1点も奪うことができずに敗退。新体制1年目は、無冠という無残な結果に終わったのである。

監督:1~31節/ロレンソ・セラ・フェレール(スペイン)→32節~/カルレス・レシャック(スペイン)
その他の主なプレーヤー:GK デュトルエル、アルナウ、DF プジョール、MF ガブリ、シモン、プチ、シャビ、ジェラール、ゼンデン、デ・ラ・ペーニャ、FW アルフォンソ、ダニ

フロレンティーノ・ペレスのレアル・マドリー会長選における公約「フィーゴ獲得」は、待遇改善を認めないバルサのフロント陣にフィーゴが不信感を抱いていたこともあり、現実のものとなった。バルセロニスタは以後、フィーゴを「金で寝返った裏切り者」と見なし、いまだに許していない。 (C) Getty Images
◎2000-01シーズン成績
リーガ:4位(17勝12分け9敗・80得点57失点)
国王杯:準決勝敗退(対セルタ)
チャンピオンズ・リーグ:1次リーグ敗退(3位/対ミラン、リーズ、ベジクタシュ)
UEFAカップ:準決勝敗退(対リバプール)
※チャンピオンズ・リーグの1次リーグ3位チームはUEFAカップの3回戦に移行
チーム内得点ランキング(リーガ):リバウド(23点)、クライファート(18点)、L・エンリケ(9点)、オーフェルマルス(8点)、コクー(3点)、F・デブール(3点)、シモン(2点)、アルフォンソ(2点)、グアルディオラ(2点)、シャビ(2点)、ガブリ(2点)、ジェラール(2点)、ダニ(1点)、プチ(1点)、アベラルド(1点)、セルジ(1点)
◎主なトランスファー
◇IN
夏
GK レイナ(←ユースから昇格)
GK デュトルエル(←セルタ)
MF プチ(←アーセナル)
MF デ・ラ・ペーニャ(←ラツィオ)
MF ジェラール(←バレンシア)
FW オーフェルマルス(←アーセナル)
FW アルフォンソ(←ベティス)
◇OUT
夏
GK ヘスプ(→フォルトゥナ・シッタールト)
DF デウ(→パリ・サンジェルマン)
MF フィーゴ(→レアル・マドリー)
FW アムニケ(→アルバセーテ)
冬
DF ボハルデ(→チェルシー)
MF R・デブール(→レンジャーズ)
FW リトマネン(→リバプール)
リーガ:4位(17勝12分け9敗・80得点57失点)
国王杯:準決勝敗退(対セルタ)
チャンピオンズ・リーグ:1次リーグ敗退(3位/対ミラン、リーズ、ベジクタシュ)
UEFAカップ:準決勝敗退(対リバプール)
※チャンピオンズ・リーグの1次リーグ3位チームはUEFAカップの3回戦に移行
チーム内得点ランキング(リーガ):リバウド(23点)、クライファート(18点)、L・エンリケ(9点)、オーフェルマルス(8点)、コクー(3点)、F・デブール(3点)、シモン(2点)、アルフォンソ(2点)、グアルディオラ(2点)、シャビ(2点)、ガブリ(2点)、ジェラール(2点)、ダニ(1点)、プチ(1点)、アベラルド(1点)、セルジ(1点)
◎主なトランスファー
◇IN
夏
GK レイナ(←ユースから昇格)
GK デュトルエル(←セルタ)
MF プチ(←アーセナル)
MF デ・ラ・ペーニャ(←ラツィオ)
MF ジェラール(←バレンシア)
FW オーフェルマルス(←アーセナル)
FW アルフォンソ(←ベティス)
◇OUT
夏
GK ヘスプ(→フォルトゥナ・シッタールト)
DF デウ(→パリ・サンジェルマン)
MF フィーゴ(→レアル・マドリー)
FW アムニケ(→アルバセーテ)
冬
DF ボハルデ(→チェルシー)
MF R・デブール(→レンジャーズ)
FW リトマネン(→リバプール)