ユニークなーオーナーは伝説的なギャンブラー
ここでクイズをひとつ。「プレミアリーグのサポーターに人気の遠征地はどこでしょう?」
サポーターが好んで行きたがるアウェーゲームだ。3か所あって、そのすべてを答えられるだろうか。
ひとつはブラックプール。いまはチャンピオンシップ(2部)を戦っているから、厳密には「プレミアリーグのサポーターが好きな遠征地」ではないが、ブラックプールFCとのアウェーゲームには多くのファンが嬉々として足を運ぶ。リバプールやマンチェスターにほど近いイングランド北西部の都市ブラックプールは、アイリッシュ海に面したリゾート地という顔を持っている。
もうひとつがニューカッスル。ロケーションや土地柄は説明不要だろう。「ジョーディ」と呼ばれる地元民、転じて地元サポーターはとにかく熱狂的だ。
最後のひとつはブライトン。ロンドンからほぼ真っ直ぐ南下した、イングリッシュ・チャンネル(イギリス海峡)に面したこれもビーチリゾートだ。
この3つの都市に共通しているのが、いわゆるパーティータウンだということ。レストランやパブが充実していて、ナイトライフが満喫できるご機嫌な街だ。
このうち、ロンドンからもっとも近いのがブライトンだ。距離にして約80キロ、列車で40分ほどとアクセスが抜群で、フットボールファン以外にも人気の観光地となっている。ボヘミアンな(自由奔放な)雰囲気で、ピア(桟橋)があって、カリフォルニアのサンタモニカのような感じと言えばイメージしやすいだろうか。僕も好きなホリデー・プレイス(休日を過ごす保養地)で、家族や友人と何度も訪れている。ナイトライフが充実しているのは大学があって学生の街だからだ。スタッグ・パーティー(新郎が独身最後の夜を友人と楽しむパーティーで、バチェラー・パーティーとも)をブライトンで楽しむロンドンっ子も多い。
【動画】猛プレスで冨安からボール奪取→右足の冷静なフィニッシュ!三笘が首位アーセナルから決めた鮮烈弾
サポーターが好んで行きたがるアウェーゲームだ。3か所あって、そのすべてを答えられるだろうか。
ひとつはブラックプール。いまはチャンピオンシップ(2部)を戦っているから、厳密には「プレミアリーグのサポーターが好きな遠征地」ではないが、ブラックプールFCとのアウェーゲームには多くのファンが嬉々として足を運ぶ。リバプールやマンチェスターにほど近いイングランド北西部の都市ブラックプールは、アイリッシュ海に面したリゾート地という顔を持っている。
もうひとつがニューカッスル。ロケーションや土地柄は説明不要だろう。「ジョーディ」と呼ばれる地元民、転じて地元サポーターはとにかく熱狂的だ。
最後のひとつはブライトン。ロンドンからほぼ真っ直ぐ南下した、イングリッシュ・チャンネル(イギリス海峡)に面したこれもビーチリゾートだ。
この3つの都市に共通しているのが、いわゆるパーティータウンだということ。レストランやパブが充実していて、ナイトライフが満喫できるご機嫌な街だ。
このうち、ロンドンからもっとも近いのがブライトンだ。距離にして約80キロ、列車で40分ほどとアクセスが抜群で、フットボールファン以外にも人気の観光地となっている。ボヘミアンな(自由奔放な)雰囲気で、ピア(桟橋)があって、カリフォルニアのサンタモニカのような感じと言えばイメージしやすいだろうか。僕も好きなホリデー・プレイス(休日を過ごす保養地)で、家族や友人と何度も訪れている。ナイトライフが充実しているのは大学があって学生の街だからだ。スタッグ・パーティー(新郎が独身最後の夜を友人と楽しむパーティーで、バチェラー・パーティーとも)をブライトンで楽しむロンドンっ子も多い。
【動画】猛プレスで冨安からボール奪取→右足の冷静なフィニッシュ!三笘が首位アーセナルから決めた鮮烈弾
そんな街をホームタウンにしているのが、三笘薫が所属するブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンだ。ちなみに、「ブライトン・アンド・ホーブ」とは街の名前で、ブライトンとホーブの両地区が合併してできたからそう命名された。
このブライトンというクラブ、ホームタウンと同じでなかなか個性的だ。なによりオーナーがユニークで、会長も務めるトニー・ブルームはポーカーやスポーツベッティングなど賭け事で財を成した伝説的なギャンブラー。ブルームは統計学的手法を用いて勝ち続けたギャンブルの方法論を持ち込み、データやスタッツを駆使した数学的なアプローチでチーム強化を成し遂げている。三笘の獲得もこの文脈に即した補強であることは間違いない。
ダービーマッチの相手も普通と違う。ロンドン南部のクリスタル・パレスが宿敵だ。因縁は1970年代に遡り、76-77シーズンにリーグ戦とカップ戦で合わせて5試合を戦って対抗意識がヒートアップ。ここに、ブライトンのアラン・マレリー、パレスのテリー・ヴェナブルス両監督の私怨が加わり、敵愾心が高じていった。
最後にもうひとつ問題。この両チームの対戦が「M23ダービー」と呼ばれるのはなぜでしょう? ロンドンとブライトンを結ぶ国道「M23」が由来だ。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
Steve MACKENZIE
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーターだ。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で手掛け出版した。
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年12月1日号より転載
このブライトンというクラブ、ホームタウンと同じでなかなか個性的だ。なによりオーナーがユニークで、会長も務めるトニー・ブルームはポーカーやスポーツベッティングなど賭け事で財を成した伝説的なギャンブラー。ブルームは統計学的手法を用いて勝ち続けたギャンブルの方法論を持ち込み、データやスタッツを駆使した数学的なアプローチでチーム強化を成し遂げている。三笘の獲得もこの文脈に即した補強であることは間違いない。
ダービーマッチの相手も普通と違う。ロンドン南部のクリスタル・パレスが宿敵だ。因縁は1970年代に遡り、76-77シーズンにリーグ戦とカップ戦で合わせて5試合を戦って対抗意識がヒートアップ。ここに、ブライトンのアラン・マレリー、パレスのテリー・ヴェナブルス両監督の私怨が加わり、敵愾心が高じていった。
最後にもうひとつ問題。この両チームの対戦が「M23ダービー」と呼ばれるのはなぜでしょう? ロンドンとブライトンを結ぶ国道「M23」が由来だ。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
Steve MACKENZIE
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーターだ。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で手掛け出版した。
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年12月1日号より転載