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【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|厳粛にルールを守るだけでは魅力は生まれない

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2015年11月04日

状況によっては信号よりも個人の判断を優先するといった価値観がJリーグにも必要だ。

ルールやフェアプレーをリスペクトすることも大切だが、それだけではサッカーの魅力は伝わらない。Jリーグの魅力をより深く伝えるにはなにが必要だろうか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 例えば経済では、景気アップのために企業間での競争が大事なファクターとなるように、サッカーであれば選手間での競争がチームを活性化させるために必要となる。リーグを活性するにはクラブ間での競争が必要だ。
 
 競争ができる環境、つまり物事を活性化させ成長させるには“自由”というものが必要になる。ただし、自由のなかにもルールは必要だ。
 
 様々な分野において、自由競争は成長を続けるために必要なことだが、そこに規則がなければ混乱を招く場合もあるからだ。競争は物事を活性するが、健全性を保つには一定のルールも必要になる。
 
 しかし、交通機関でのルールと同様に、日本ではこのルールの存在感がやたらと強く、ある面では日本人の良さを害しているようにも感じられる。
 
 サッカーひとつとっても、もっと自由に、感情をむき出しにして良いスポーツだと思う。たくさんの道があり、走り方も一通りではない。サポーター、ファンだけではなく、スポンサーからまだ興味のない人々にまでサッカーの魅力を発信していかなくてはいけないのであれば、競争が自由に出来るようにルールも少しずつ変えていかなくてはいけない。
 
 Jリーグも発足から23年が経ち、そんなタイミングになってきていると思う。交通事情をたとえれば、目的地になるべくスムーズに着くために、周りが協力し合って新しい価値観のなかで道路を走ることだ。そこには道を走る自動車、バイク、自転車、トラックなどが上手く尊重し合って譲り合い、現在の日本では絶対に禁止されていることだが、状況によっては信号よりも個人の判断を優先し、時には既存のルールを脇に置いても目的地に進むことへの執着を持つ、といったようなことだろう。
 
 ルールを守っていれば事故が起きても良いのか?目的は事故をせずに目的地になるべく早く着く。「そのためにどう走るか?」が大事なのであろう。
 
 再びサッカーに戻れば、ルールのためのルールでは意味がない。ルールを守ればサッカーの魅力が増すのかと言えばそうではないだろう。
 
 僕の感覚で言えば、世界じゅうのリーグのなかで、おそらく日本は最もフェアプレーが浸透している国のひとつだろう。しかし、日本代表もJリーグも世界ランキングではトップには程遠い。フェアであることだけではリーグの魅力は伝わらないだろう。
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