負傷離脱中に届いた驚きのオファー。鹿島内定の頭脳派CB津久井佳祐が夢のプロ入りを掴むまで。「まさかアントラーズからとは…」【インタビュー】
カテゴリ:高校・ユース・その他
2022年09月30日
津久井に訪れた転機。CBへのコンバート
強豪・鹿島アントラーズが、関川郁万以来となる高卒CBの獲得を決めた。
昌平高3年のCB津久井佳祐は、身長は180センチと大柄ではないが、鋭い読みと寄せの技術が高く、ガツガツ奪うというよりクレバーに奪う印象。的確なカバーリングと正確なビルドアップも魅力で、戦況を読んでハイラインにしたり、深みを取ってコースを限定したりと変化をもたらし、ボールを持てば、1列前に運んでからのフィードや縦パス、サイドチェンジができる。
フィジカル的に見ると細さはある。だが、それはこれからでも身につくし、津久井には近代CBに必要なスキルがある。鹿島のスカウトが目に留めたのも、まさにこの部分だった。
9月27日、昌平高で入団会見が行なわれた。今年2月の段階で早くもプロ入りを発表したMF荒井悠汰(→FC東京)との合同で実施された会見で、津久井は決意を口にし、ユニホーム姿も披露。その翌日、津久井に改めてプロへの思い、鹿島への思い、そして自身が持つ思考について聞いてみた。
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昌平高3年のCB津久井佳祐は、身長は180センチと大柄ではないが、鋭い読みと寄せの技術が高く、ガツガツ奪うというよりクレバーに奪う印象。的確なカバーリングと正確なビルドアップも魅力で、戦況を読んでハイラインにしたり、深みを取ってコースを限定したりと変化をもたらし、ボールを持てば、1列前に運んでからのフィードや縦パス、サイドチェンジができる。
フィジカル的に見ると細さはある。だが、それはこれからでも身につくし、津久井には近代CBに必要なスキルがある。鹿島のスカウトが目に留めたのも、まさにこの部分だった。
9月27日、昌平高で入団会見が行なわれた。今年2月の段階で早くもプロ入りを発表したMF荒井悠汰(→FC東京)との合同で実施された会見で、津久井は決意を口にし、ユニホーム姿も披露。その翌日、津久井に改めてプロへの思い、鹿島への思い、そして自身が持つ思考について聞いてみた。
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「Jリーグにはいきたいと思っていたのですが、まさかアントラーズからとは…と驚きました」
この経緯は後に触れるが、中学時代から昌平高の下部組織にあたるFCラヴィーダでプレーしていた津久井にとって、プロは夢であったが、内心は厳しいのではないかという思いが強かった。
中学時代からチームメイトの荒井のほうが圧倒的に有名な存在だった。「悠汰はもう当時からスーパーで、特出してうまかった。まさに別格だったんです。一方で僕は県トレにも入れなくて、一度だけチャンスが来たのに怪我で逃してしまって…。高校に入ってからも悠汰は1年から大活躍をして、どんどん有名になっていって、僕はずっと1年生チームのまま。差が開いていく一方でした。悠汰みたいな選手がプロに行くんだなと思いましたし、自分が対峙しても止められないだろうなと思っていました」と本人もそれを認めている。
だが、そんな津久井に転機が訪れる。中1、中2まではSB、中3から高校の途中まではボランチをやっていたが、昨年の新チーム立ち上げ時に藤島崇之監督から、CBへのコンバートを提案されたのだった。内心はボランチをやりたかったが、当時のボランチは激戦区だったのもあり、どうしても試合に出たかった津久井は、コンバートを受け入れた。
「最初はずっと点を取りたいと思ってサッカーをやってきたので、攻めることができないし、守備ばかりでつまらないなと思うこともありました。でも、やっていくうちにセンターバックの楽しさが分かっていったんです」
この経緯は後に触れるが、中学時代から昌平高の下部組織にあたるFCラヴィーダでプレーしていた津久井にとって、プロは夢であったが、内心は厳しいのではないかという思いが強かった。
中学時代からチームメイトの荒井のほうが圧倒的に有名な存在だった。「悠汰はもう当時からスーパーで、特出してうまかった。まさに別格だったんです。一方で僕は県トレにも入れなくて、一度だけチャンスが来たのに怪我で逃してしまって…。高校に入ってからも悠汰は1年から大活躍をして、どんどん有名になっていって、僕はずっと1年生チームのまま。差が開いていく一方でした。悠汰みたいな選手がプロに行くんだなと思いましたし、自分が対峙しても止められないだろうなと思っていました」と本人もそれを認めている。
だが、そんな津久井に転機が訪れる。中1、中2まではSB、中3から高校の途中まではボランチをやっていたが、昨年の新チーム立ち上げ時に藤島崇之監督から、CBへのコンバートを提案されたのだった。内心はボランチをやりたかったが、当時のボランチは激戦区だったのもあり、どうしても試合に出たかった津久井は、コンバートを受け入れた。
「最初はずっと点を取りたいと思ってサッカーをやってきたので、攻めることができないし、守備ばかりでつまらないなと思うこともありました。でも、やっていくうちにセンターバックの楽しさが分かっていったんです」