【今だから言える15年夏の超極秘話⑤】経緯も契約内容も前代未聞だったバロテッリのミラン復帰劇

カテゴリ:ワールド

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2015年10月09日

ローマ行きがなくなり、ミランが唯一の選択肢になっていた。

ミハイロビッチ監督(左)はインテルの助監督時代に、短期間ながら若き日のバロテッリ(右)を指導した経験がある。この関係性が今夏のサプライズ復帰劇の小さくない後ろ盾に。(C)REUTERS/AFLO

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 今夏のカルチョメルカート(移籍市場)でもっとも話題を集めた出来事は、ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)のレアル・マドリー移籍が土壇場で流れた一件だろう。ただ、この手の話はこれまでにもしばしばあった。その点、マリオ・バロテッリのミラン復帰に関するエピソードは、前代未聞だと言っていい。
 
 バロテッリがリバプールで完全に構想外となっていたのは周知の通り。そこで代理人のミーノ・ライオラは、ミランに加えてローマにも、無償レンタルでバロテッリを引き取ってくれないかと話を持ちかけていた。ローマがかねてより獲得に乗り出していたエディン・ゼコを獲り損ねた場合に、代わりにどうかと売り込んだのだ。しかしご存じのとおり、ローマはゼコの獲得に成功し、そのため話が進展することはなくなった。
 
 この時点でバロテッリにとっては、ミランが唯一残された選択肢となっていた。サンプドリアも獲得を望んでいたが、本人に応じる気がなかった。
 
 オーナーのシルビオ・ベルルスコーニ、副会長のアドリアーノ・ガッリアーニというミランの両首脳は、バロテッリの復帰がマスコミ的に大きな反響を呼んで、ファンの期待感を高める効果が得られると踏み、ライオラに売り込まれた当初からこの話に乗り気だった。
 
 問題は、シニシャ・ミハイロビッチ新監督がバロテッリの素行や練習態度に疑いを抱いていたこと。グループの結束と規律をなによりも重視するミハイロビッチにとって、周囲に悪影響を及ぼす“腐ったミカン”になりかねない選手は、受け入れ難い存在だ。それを知る周囲が提案したのが、ふたりが直接会って話し合い、バロテッリがミハイロビッチに改心を約束するというプランだった。
 
 会談の日時は、ミランがフィオレンティーナとセリエA開幕戦を戦う前日の8月22日の夜に設定され、遠征先のフィレンツェに程近い都市プラートがその舞台に選ばれた。
 
 当日、プライベートジェットでロンドンを飛び立ち、ヴェローナ空港に降り立ったバロテッリは、そこから知人の車で移動。かたやミハイロビッチはフィレンツェのホテルで選手やスタッフと夕食をとった後、クラブが用意した車でプラートに向かった。

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