監督がいるのに指導しない? 北関東大学リーグ2部で戦う文教大の“育成”が興味深い

カテゴリ:大学

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2022年06月27日

「学生主体」のチーム体制を採用し、選手間のコミュニケーションは活発だった

北関東大学リーグ2部を戦う文教大。「学生主体」のチーム体制を採用している。

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 キックオフの約2時間前、試合会場では活発なミーティングが行なわれていた。北関東大学リーグ2部を戦う文教大は6月25日、8節の群馬大戦に向けて、藤原良浩監督(文教大付高出身)、大塚史登キャプテン(3年生/春日部東高出身)、副主将の長島拓也(3年生/川越高出身)と國保颯太(2年生/市立柏高出身)による4名が綿密に話し合っている。しかし一般的なチームとは様子が違うのはすぐに分かった。

 よく見る監督が選手に指示をする構図とは真逆で、大塚キャプテンと副主将の長島&國保が、藤原監督に先発メンバーを伝えている。指揮官からスタメン選考の意図について質問されれば、選手は淀みなく答え、この日の試合の狙いについても説明していた。

 ひと通り話に耳を傾けた藤原監督は、学生の意見を最大限に尊重している様子だった。最小限のアドバイスで不可欠な軌道修正を図るにとどめた立ち回りは、指導者というよりもコーディネーター(調整役)に近い。文教大では、練習メニューの作成からスタメン選出、選手交代まで、普通なら監督が担う仕事をすべて学生に任せる「学生主体」のチーム体制を採用しているようだ。

 実際、試合直前のウォーミングアップも戦術ミーティングもすべて学生が仕切っていた。だから選手たちはかなり積極的にコミュニケーションを取っていって、格下の群馬大との一戦で強調していたのが「これまで出場機会が少なかった選手にチャンスを与える」である。言葉どおり主将のCB大塚はベンチに座り、代わって副主将の國保が先発としては初めてキャプテンマークを巻いてCBに入った。

群馬大戦で先制ゴールを決めた文教大の國保。見事なヘディングシュートだった。

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 起用法の狙いは奏功。國保は9分、ショートコーナーの流れから中島潤(2年生/本庄東高出身)のクロスに頭で合わせてネットを揺らし、その後も2年生とは思えないほどの統率力が光った。「監督が試合中に口を出さない分、自分たちで話し合わないと解決策が見えてこない」と選手間のコミュニケーションを強く意識していたと振り返る。

「立ち上がりはサイドで守備がハマらない時間帯もありましたが、最終ラインですぐに話し合いました。サイドバックのところでプレスを強めることを共有したあとは、徐々に良くなったと思います」

 先制後は、試合前から選手間で密に話し合っていた「どんどんボールを動かしていこう」という狙いどおり、ポゼッション率を高めてゲームの主導権を握る。攻撃時のポイントはポジショニングで「ウイングがサイドに張るようになってから、どんどんボールを動かせた。そこも上手く喋りながらできた」(國保)。そして29分には関口翔空(3年生/浦和学院高出身)が左サイドをドリブルで切り裂き、冷静なフィニッシュでネットを揺らした。
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