【J1採点&寸評】柏×甲府|下位に沈む甲府の勢いに呑まれた柏は手痛い引き分け

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年08月31日

クリスティアーノが1得点・1アシストの活躍も、GK菅野のミスで勝点2を失う。

【警告】柏=藤田(26分)  甲府=山本(80分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】伊東純也(甲府)

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【試合内容】
 静かな立ち上がりとなったゲームは、柏がパスワークで甲府をいなしながら、ゴールチャンスを窺う展開が続く。迎えた27分、クリスティアーノとエデルソンの高速カウンターで一瞬の隙を突いて先制。さらに、42分には再びカウンターから最後は工藤が冷静に押し込み、甲府に決定機さえ作らせずに2点リードで前半を折り返す。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・9節

 後半は意地を見せる甲府が、ロングボールやサイド攻撃からのクロスを多用する戦術で攻勢に出る。48分、バレーが落としたボールに阿部拓が右足を振り抜き、スーパーゴールで1点を返す。その後もセカンドボールを効率良く拾って波状攻撃を仕掛け、70分には相手のオウンゴールを誘発。完全に“負けゲーム”から2-2の同点に持ち込み、甲府にとっては貴重な勝点1獲得、柏にとっては勝点2を取りこぼした格好となった。
 
【チーム採点】
柏 5.5
カウンター2発でリードを奪うまでは良かったが、自分たちのミスで同点に追いつかれると、パスも“各駅停車”となり、甲府の堅い守りをこじ開けられなかった。「勝てた試合」で勝点2を取りこぼしたのは痛い。
 
甲府 6
「チームになってない」(佐久間監督)前半に2点のビハインドを負ったものの、阿部拓のゴールを境に攻勢へ。クロスやカウンターを使って押し上がり、相手のオウンゴールを呼び込んだ。敵地での引き分けは上々か。
 
【柏|採点・寸評】
GK
21 菅野孝憲 4.5
阿部拓のスーパーなミドルは致し方なしも、2失点目のファンブルは完全なボーンヘッド。自らのミスで防げる失点を許し、チームの勝利をフイにした責任は重い。
 
DF
2 藤田優人 5.5
第2ステージで初スタメンながら右サイドの比重が強かった分、果敢な仕掛けやクロスは陰を潜めた。ボールロストするシーンも散見。
 
4 鈴木大輔 6
ACLに続きゲームキャプテンとしてチームを統率。バレーのポストプレーにも冷静に対応していたが、1失点目はもう少し寄せてシュートコースを制限したかった。
 
13 エドゥアルド 5.5
バレーを相手に空中戦、地上戦ともに力負けせず。俊敏性を活かしてサイドのスペースも上手くカバーし、守備を安定させたが、後半マークが緩んだのは反省点だ。
 
27 キム・チャンス 5.5
スリッピーなピッチもなんのその。スピードに乗ったオーバーラップでロングフィードに追い付き、右サイドからクロスを撃ち込んだ。それだけに、終盤の前に出て行きたい場面で犯したトラップミスふたつはもったいない。
 
MF
8 茨田陽生 6
前後の鈴木や秋野と密にコミュニケーションを取り、ビルドアップを遂行。守備もセカンドボールやカウンターを上手く処理していた。
 
15 武富孝介 5.5
34分、GKとの1対1はポスト直撃。守備で2度のシュートブロックを見せるなど奮闘したが、本来期待される攻撃面では不完全燃焼に終わった。
 
17 秋野央樹 5.5
3試合ぶりの先発でキャプテン大谷の代役というビッグミッション。アンカーよりも1列前でのプレーにイメージのずれがあったが、自身はインサイドハーフにある程度の手応えを感じられたと話す。
 
FW
9 工藤壮人 6
最終ラインと駆け引きして裏を狙い、常に相手にプレッシャーをかけた。3節の川崎戦以来、6試合ぶりとなるゴールを決めるなど動きは悪くなかった。
 
11 エデルソン 6.5
ボールキープやピンポイントのアシストパスなど技術の高さを誇示。プレスバックも献身的に行ない、序盤からエンジン全開で戦った。
 
30 クリスティアーノ 6.5
エデルソンとのカウンターから先制ゴールを奪うと、監督の指示通りシュート性のクロスを撃ち込んで1アシストを記録。同点に追いつかれ、ヒーローになり損ねたのが悔やまれる。
 
交代出場
FW
10 大津祐樹 5.5
押し込まれる時間帯が長く、特長であるドリブル突破を繰り出せず。左サイドから中央まで幅広く動き、ゴールに絡む意欲は見せたが……。
 
MF
28 栗澤僚一 5.5
崩れ始めた中盤のバランサーとして出場。セカンドボールを思うように拾えず、相手に主導権を渡してしまったことを反省点に挙げた。
 
DF
23 今井智基 -
ミスが許されない難しい場面での起用も、DFとしては無難に切り抜ける。強いて言えば、持ち味のひとつである攻撃的なプレーも見せたかった。
 
監督
吉田達磨 5.5
オウンゴールは“事故”で采配とは直結しないとはいえ、ロングボールやセカンドボールに受け身に回ったチームを立て直せなかった。

ウイングで先発したエデルソンは技術力の高さを披露。クリスティアーノへのピンポイントクロスは鮮やかだった。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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エース工藤が6試合ぶりのゴールで追加点。柏は2点リードを奪ったまでは良かったが、その後のゲーム運びに課題が残った。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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