国内だけでなく海外でも好成績を収めた“柏アカデミーのゴールデンエイジ”。
2年ぶりのACLベスト8を達成した柏は、8月25日に広州恒大との準々決勝第一戦に臨む。下部組織で実績を残し、今季トップチームの指揮官に抜擢された吉田監督は、現在の柏を語るうえで外せないキーマンだ。育成アカデミーとトップの一貫化を図る柏の挑戦が注目される。
【ACL PHOTOハイライト】柏 1-3 広州恒大
今季柏のトップチームに所属する全28名のうち、実に15名がアカデミー出身だ。ここに現時点で2種登録されているU-18所属の選手を含めれば、アカデミー出身選手は18名にも上る。おそらくこれはJリーグのなかでも突出した数字であろう。そしてこの数字は、今後も年々少しずつ伸びていくと思われる。
こうして柏が毎年安定してアカデミーから選手を供給できている要因は、その育成組織の性質にある。
転機となったのは2003年だ。現在トップチームの指揮を執る吉田達磨監督がアカデミーのコーチに就任。後に“柏アカデミーのゴールデンエイジ”と呼ばれる工藤壮人、武富孝介、酒井宏樹(現ハノーファー)の代を受け持ち、現体制へと邁進することとなる。
吉田監督は、U-15の監督を務めていた当時から「ボールとスペースを支配するサッカー」を志向し、それを工藤たちの代が具現化させ、国内だけでなく海外のトーナメントでも好成績を収めていった。
それまでは、各カテゴリーのそれぞれのコーチの哲学を下に、異なる方針で育成が行なわれていたが、カテゴリーが変わる度に方針が変わっては選手育成の妨げになると、アカデミー全体が次第に吉田監督の目指すスタイルへ傾斜していった。
当時、工藤らの世代が見せた統率されたパスをつなぐサッカーは、育成年代にしては驚くべき組織力を誇ったことから、「小学生時代から同じメンバーでプレーしているからできること。レイソルを離れて他のチームでプレーするのは難しい」と、外部からは疑問視する声も挙がっていた。だが、吉田監督の発想はむしろその逆だった。
「自分が監督じゃないとプレーできない選手ではなく、どんな監督の下でも重宝される選手でなければいけない」
これは、吉田監督がU-18の監督を務めていた当時に残したコメントだ。どんなスタイルのサッカーでも、どんな監督の下でもプレーできるように、選手たちの技術レベルを高め、常に思考を巡らせてサッカーと向き合い、戦術理解度というよりは“サッカーIQ”なるものを高めておく。こうしたコンセプトも、「ボールとスペースを支配する」というサッカーのスタイルとともに、アカデミーが現在共有する哲学のひとつである。
【ACL PHOTOハイライト】柏 1-3 広州恒大
今季柏のトップチームに所属する全28名のうち、実に15名がアカデミー出身だ。ここに現時点で2種登録されているU-18所属の選手を含めれば、アカデミー出身選手は18名にも上る。おそらくこれはJリーグのなかでも突出した数字であろう。そしてこの数字は、今後も年々少しずつ伸びていくと思われる。
こうして柏が毎年安定してアカデミーから選手を供給できている要因は、その育成組織の性質にある。
転機となったのは2003年だ。現在トップチームの指揮を執る吉田達磨監督がアカデミーのコーチに就任。後に“柏アカデミーのゴールデンエイジ”と呼ばれる工藤壮人、武富孝介、酒井宏樹(現ハノーファー)の代を受け持ち、現体制へと邁進することとなる。
吉田監督は、U-15の監督を務めていた当時から「ボールとスペースを支配するサッカー」を志向し、それを工藤たちの代が具現化させ、国内だけでなく海外のトーナメントでも好成績を収めていった。
それまでは、各カテゴリーのそれぞれのコーチの哲学を下に、異なる方針で育成が行なわれていたが、カテゴリーが変わる度に方針が変わっては選手育成の妨げになると、アカデミー全体が次第に吉田監督の目指すスタイルへ傾斜していった。
当時、工藤らの世代が見せた統率されたパスをつなぐサッカーは、育成年代にしては驚くべき組織力を誇ったことから、「小学生時代から同じメンバーでプレーしているからできること。レイソルを離れて他のチームでプレーするのは難しい」と、外部からは疑問視する声も挙がっていた。だが、吉田監督の発想はむしろその逆だった。
「自分が監督じゃないとプレーできない選手ではなく、どんな監督の下でも重宝される選手でなければいけない」
これは、吉田監督がU-18の監督を務めていた当時に残したコメントだ。どんなスタイルのサッカーでも、どんな監督の下でもプレーできるように、選手たちの技術レベルを高め、常に思考を巡らせてサッカーと向き合い、戦術理解度というよりは“サッカーIQ”なるものを高めておく。こうしたコンセプトも、「ボールとスペースを支配する」というサッカーのスタイルとともに、アカデミーが現在共有する哲学のひとつである。