J1でピッチに立つGKならば、誰が日本代表になったとしてもそれほど見劣りしない。
日本サッカー全体を見た場合、GKのレベルは確実に向上している。それは今季のJ1クラブにおいて、ファーストGKとセカンドGKの境界線が薄れ、競争が熾烈になっている点でも顕著だろう。
川崎、横浜、鹿島、清水、甲府など多くのクラブで、ふたりのGKが遜色ない力を見せ合い、正守護神を定義しにくい状態にある。また、仙台の六反勇治のように、昨季まで所属していた横浜では第3GKだったにもかかわらず、移籍した先で実力を示し、日本代表候補にまで選ばれた例もある。
「GKの群雄割拠時代」とでも表現するべきだろうか。
柏で雌伏の時を過ごしてきた桐畑和繁も、その能力がファーストGKに値することを証明している。レギュラー奪取のきっかけは、正GKである菅野孝憲の怪我によるものだったが、横浜戦で齋藤学の決定機を腕一本で救ったセービングは圧巻だったし、川崎戦でも大久保嘉人のシュートを、神経を研ぎ澄ませて防いだ。
今やJ1でピッチに立っているGKならば、誰が日本代表になったとしても、それほど見劣りしないだろう。
「かつて私がJリーグで指揮を執るようになった時、レベルの低さに愕然としたのが、GKだったよ。しかし当時と比べれば、そのレベルは大きく上がったと言えるだろうね」
C大阪で指揮を執ったレヴィー・クルピ監督は、そんな感想を洩らしていたことがある。クルピが初めてJリーグの監督になったのは97年の時。話を聞いたのは2012年のことだったろうか。
もっとも、クルピは日本人GKのレベルに満足しているわけではなかった。
「まだまだGKのミスが直結するゴールが多い」
厳しい指摘にあるように、世界のトップと比較すると、キャッチング、パンチングの技術は拙い。クロスボールに対する判断、1対1の勇敢さ、ステップワークなども未熟と言えるだろう。欧州の一流スカウトは、「弱点が目についてしまい、シュートを跳ね返す威圧感も足りない」と苦言を呈すが、実際に海外トップクラブで成功を収めたと言える日本人GKはゼロに等しい。
J1でGKのポジション争いが激化している理由は、「全体のレベルアップ」と同時に「トップレベルのGKの停滞」も挙げられる。世界のトップとの比較で言えば、むしろ差は開いたのかもしれない。
川崎、横浜、鹿島、清水、甲府など多くのクラブで、ふたりのGKが遜色ない力を見せ合い、正守護神を定義しにくい状態にある。また、仙台の六反勇治のように、昨季まで所属していた横浜では第3GKだったにもかかわらず、移籍した先で実力を示し、日本代表候補にまで選ばれた例もある。
「GKの群雄割拠時代」とでも表現するべきだろうか。
柏で雌伏の時を過ごしてきた桐畑和繁も、その能力がファーストGKに値することを証明している。レギュラー奪取のきっかけは、正GKである菅野孝憲の怪我によるものだったが、横浜戦で齋藤学の決定機を腕一本で救ったセービングは圧巻だったし、川崎戦でも大久保嘉人のシュートを、神経を研ぎ澄ませて防いだ。
今やJ1でピッチに立っているGKならば、誰が日本代表になったとしても、それほど見劣りしないだろう。
「かつて私がJリーグで指揮を執るようになった時、レベルの低さに愕然としたのが、GKだったよ。しかし当時と比べれば、そのレベルは大きく上がったと言えるだろうね」
C大阪で指揮を執ったレヴィー・クルピ監督は、そんな感想を洩らしていたことがある。クルピが初めてJリーグの監督になったのは97年の時。話を聞いたのは2012年のことだったろうか。
もっとも、クルピは日本人GKのレベルに満足しているわけではなかった。
「まだまだGKのミスが直結するゴールが多い」
厳しい指摘にあるように、世界のトップと比較すると、キャッチング、パンチングの技術は拙い。クロスボールに対する判断、1対1の勇敢さ、ステップワークなども未熟と言えるだろう。欧州の一流スカウトは、「弱点が目についてしまい、シュートを跳ね返す威圧感も足りない」と苦言を呈すが、実際に海外トップクラブで成功を収めたと言える日本人GKはゼロに等しい。
J1でGKのポジション争いが激化している理由は、「全体のレベルアップ」と同時に「トップレベルのGKの停滞」も挙げられる。世界のトップとの比較で言えば、むしろ差は開いたのかもしれない。