［カタール・ワールドカップ・アジア最終予選］日本 １-０ オマーン／11月16日／スルタン・カブース・スポーツ・コンプレックス

　森保一監督が率いる日本代表はアウェーでオマーンに勝利。オーストラリアが中国と引き分けたため、グループ２位に浮上した。出場停止の守田英正に代わり、柴崎岳がスタメンに復帰した以外に前節のベトナム戦から変化はなく、怪我明けの酒井宏樹もベンチ入りこそしたものの、右サイドバックは引き続き、山根視来が担うことになった。

　注目されたシステムは引き続き４-３-３で、中盤は左右のインサイドハーフに柴崎と田中碧。アンカーと呼ばれる中央に遠藤航が構える形だった。前回対戦と同じく中央を固めるオマーンに対して、日本は多くの時間で大外と最終ラインで丁寧にボールをつなぎ、サイドからクロスで終わるという攻撃を続けた。

　そうしたなかでも、オマーンは伊東純也が右外からゴール方向に仕掛けられないように厳しく寄せてきたので、シンプルに中央付近を突くことができない。16分には田中のパスから伊東がペナ角からクロスを上げて、FWの大迫勇也が飛び込むが、うまく相手ディフェンスに競り勝って合わせることができなかった。
 

　リスクを負わなかった前半は、日本の攻撃がほぼ外側に限られた一方で、オマーン側に効果的なカウンターも許さずに、センターバックの吉田麻也と冨安健洋、GK権田修一、そして遠藤がリスクマネジメントしており、良くも悪くもダイナミズムとスリルの両方を欠く前半となった。

　１時間早くキックオフされた中国対オーストラリアの一戦はドロー決着で、確かにアウェーでオマーンを相手に勝点３を獲得する目的の絶対性は少し弱まった。しかし、日本は引き分けをよしとして、前半戦でそうしたゲーム運びをした訳ではないようだ。２度目の対戦とあって、オマーンはオマーンで日本対策を強めた一方で、日本もオマーンに隙を与えないゲームプランを遂行したことで、お互いが相殺される結果となった。

　後半に向けて森保監督は柴崎に代えて、A代表デビューとなる三笘薫を左サイドに投入、南野拓実を二列目の中央に移して４-２-３-１にシフトした。いきなり積極的な仕掛けから深い位置でのFKを獲得した三笘のインパクトは注目に値するが、彼の投入と４-２-３-１へのシフトには確かな狙いが感じられた。