【セルジオ越後】山口蛍の移籍は、ビジネス的に大失敗。「ドイツ短期留学」だったね

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2016年06月23日

半年で50万ユーロの損失。ビジネス面で考えれば「セレッソは何をしているんだ」となるよね。

ハノーファーへの移籍金が100万ユーロ、セレッソへの移籍金が150万ユーロとも言われる。半年で50万ユーロの損失。一般企業でこんな経営をしていたら、社長は糾弾されるよ。(C)Getty Images

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 それから、山口の移籍をビジネスと考えれば、セレッソはどれだけの損失を出しているのか。
 
 ハノーファーへ完全移籍した際の移籍金は100万ユーロ(約1億1800万円)、6月にセレッソへ完全移籍で復帰した際の移籍金は150万ユーロ(約1億7800万円)とも言われる。
 
 選手を“商品”と考えれば、今年1月にある商品を100万ユーロで売り、6月に同じ商品を150万ユーロで買い戻した。
 
 半年で50万ユーロ(約6000万円)の損失。ビジネスの面から考えれば、「セレッソは何をしているんだ」となるよね。一般企業でこんな経営をしていたら、株主総会で社長は糾弾されるんじゃないかな。
 
 とはいえ、これには選手のエージェントも絡んでいる。唯一、彼らだけが“商品”を動かし、上手く利を得た。裏で上手く立ち回ったと言えるね。
 
 6月20日には、宇佐美貴史のアウクスブルク移籍が発表された。二度目の欧州挑戦で、前向きなチャレンジと言える。日本と海外を行ったり来たりするのは、決して悪いことじゃないよ。
 
 他国の選手だって、行ったり来たりしているわけだからね。移籍先が、今いるクラブより格上ならば、どんどん挑戦すべきだろう。ただ、「ダメだったら古巣に戻ればいいや」という安直な考えだとしたら、これは大きな問題だよ。
 
 今回の山口の立場は、あくまでチームに頭を下げて、迎え入れてもらったというもの。勝利に貢献し、昇格に導く――。チームへの損害を考えれば、これぐらいの働きはノルマだろう。また、それぐらいの働きをしてもらわないと困るという周囲の期待もあるはずで、それに応えられるように頑張ってほしいね。
 
“リターン組”である金崎夢生(鹿島)や阿部勇樹(浦和)、槙野智章(浦和)らは海外から復帰後、チームや代表で大いに奮闘している。山口も彼らと同じように活躍すれば、今回の経験が無駄ではなかったと証明できるだろう。
 
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