生年ごとにベスト11を選んで「最強世代」を見つけ出すのが、『ワールドサッカーダイジェスト』誌で好評連載中の「年代別ベスト11」だ。第24回目は「1975年生まれ」を紹介する。

　だれもが認める超ワールドクラスはもとより、バロンドール受賞者やＷ杯優勝経験者も不在。小粒な印象は否めず、「最強世代」には程遠いラインナップと言わざるを得ない。
 
　２トップはクレスポとファウラー。前者はラツィオとインテルに所属したセリエＡ時代に高い評価を確立したとはいえ浮き沈みが激しく、リバプールで“コップ”のアイドルだった後者は度重なる怪我に泣きキャリアのピークが短かった。
　
　中盤は一芸に長けた好タレントが揃う。ただ、エレガントなフィードとテクニックで攻撃を演出したベロンはプレミアで期待に応えらえず評価を落とし、圧倒的なパスセンスを誇ったバレロンは長く怪我に悩まされた。直接FKの公式戦得点数（75）が歴代１位のジュニーニョはメガクラブ在籍歴が皆無。一線級と太鼓判を押せるのは、高精度の右足で数々の名場面を生み出したベッカムくらいだろう。
 
　とりわけ見劣りするのが最終ラインだ。CB、SB、GKのいずれにも時代を象徴するような超一流が見当たらず、レアル・マドリーで二度のＣＬ制覇を経験したサルガドとエルゲラも準ワールドクラス止まりだろう。とくにイラリオが正守護神のGKは、人材不足が否めない。
 

総合評価「C」（SS、S、A、B、C、Dの６段階）

●1975年生まれのベスト11●
【GK】 
エンリケ・イラリオ
代表：元ポルトガル代表
主な所属クラブ：チェルシー、ポルト

【DF】
ジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト
代表：元オランダ代表
主な所属クラブ：アーセナル、バルセロナ、フェイエノールト

イバン・エルゲラ
代表：元スペイン代表
主な所属クラブ：Ｒ・マドリー、バレンシア

ダリオ・シミッチ
代表：元クロアチア代表
主な所属クラブ：ディナモ・ザグレブ、ミラン、インテル

ミチェル・サルガド
代表：元スペイン代表
主な所属クラブ：Ｒ・マドリー、セルタ

【MF】
フアン・セバスティアン・ベロン
代表：元アルゼンチン代表
主な所属クラブ：インテル、マンチェスター・Ｕ、ラツィオ

ジュニーニョ・ペルナンブカーノ
代表：元ブラジル代表
主な所属クラブ：リヨン

デイビッド・ベッカム
代表：元イングランド代表
主な所属クラブ：Ｒ・マドリー、マンチェスター・Ｕ、パリSG

ファン・カルロス・バレロン
代表：元スペイン代表
主な所属クラブ：デポルティボ、ラス・パルマス、Ａ・マドリー

【FW】
エルナン・クレスポ
代表：元アルゼンチン代表
主な所属クラブ：インテル、ラツィオ

ロビー・ファウラー
代表：元イングランド代表
主な所属クラブ：リバプール、マンチェスター・Ｃ

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年９月３日号より転載