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長谷川体制はグランパスに何を遺したのか。常に不運がつきまとった4年間で、もたらされた発展的な継続性を礎として積み上げていけば――

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2025年11月15日

やはりゴールが仕留められたかどうかが命運を分けた

来季の新体制はどうなるか。現体制に連なるアグレッシブなスタイルが継続されれば、長谷川監督の仕事もまた、クラブ史の一部にできる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 その後、前任者によって植え付けられた、あまりにも後ろに重たい守り方を前方に押し出していくよう仕向け、特に守備の選手の入れ替わりが激しかったこの4年間を経ても、オールコートマンツーのようなプレッシングスタイルとリトリートの使い分けは、一応の形を成してはいる。

 ここには賛否両論あるかと思うが、これも監督の口癖である「あの決定機が決まっていれば」が正の方向に転んでいた割合が多ければ、もっと納得感のあるものになっていたと思う。守りに守って少ないチャンスをモノにして勝つサッカーから、守備にもしっかり意識を置きながら、攻守一体の部分をより相手ゴールに近づけていくチャレンジをし続けたなかでは、やはりゴールが仕留められたかどうかが命運を分けた。
 
 来季の新体制がどのようなものになるかは、いまだ不明瞭なところがあるが、よほどの選手入れ替えを敢行しない限りは、現体制に連なるアグレッシブなスタイルを標榜する監督に白羽の矢が立つことにはなると見られる。

 インテンシティの高い、ボールとゴールを奪いに行くようなサッカーはJリーグが掲げるコンセプトにも同調し、名古屋が抱える選手たちの特徴にもしっかりはまるのは火を見るより明らか。そのうえで新指揮官の色合いに選手たちがどう反応し、どんな化学変化を起こして、より良い集団になっていけるかを、今は期待したい。

 そうなれば長谷川監督の仕事もまた、クラブ史の一部にできる。この4年間もまたクラブの礎として積み上げて、次の時代を築いていける。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

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