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【浦和担当記者の視点】なぜ、大一番で負け続けてきたのか? 「楽しむ」という言葉に抱いてきた違和感

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年01月04日

“優勝”を見られず他界したファン…。「今度こそ、浦和にかかわるすべての人が笑顔になれるようにやるしかない」という阿部の言葉につながるひとつの想い――。

試合前、ゴール裏の浦和サポーター席に描かれた鮮やかなコレオグラフィ。浦和の選手やスタッフは、日本で最も多くのサポーターがついていることについて、改めて考えるべきだ。今、全員が喜びを共有できるのは「タイトル獲得」しかない。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 浦和が国立競技場で戦った11年と13年のナビスコカップ決勝に、浦和を応援していたとある男性が訪れていた。埼スタに常に足を運ぶ根っからの浦和サポーターというわけではなかったので、ファンと言うのが妥当だ。それでも夫婦でセーターやマフラーなど身なりを真っ赤にして、アウェー側の席でもひるまず浦和に声援を送り続けた。だが、その男性は13年の年末に病に倒れて亡くなった。
 
 結局、彼はチームの動向を追い、応援するようになってから、一度も浦和のタイトル獲得には遭遇できなかった。
 
 大一番を前にした「楽しみたい」という発言が引っ掛かったのは、そういった個人的な感情が影響しているのは確かだ。ただ、毎年ホームゲームの観客動員数はダントツの1位を記録しており、やはり浦和を応援するファンの数は日本で一番多い。彼とは比べものにならないぐらい浦和を愛するたくさんの人が、浦和を大切にしてきた数多くの人が、悶々とした感情を晴らせないまま、長い時間を過ごしている。今年、歓喜を共有できるのは「タイトル」しかない。浦和のユニホームを着ている、その背後に、どれだけ多くの支え――サポーター――がいるのか、改めてそういったところまで想像を働かせてほしい。
 
「今度こそ、浦和にかかわるすべての人が笑顔になれるようにやるしかない」
 
 主将の阿部は唇を噛み締めて誓った。
 
 自分たちは魅力的なサッカーをしているのだと自負する「オンリーワン」のチームから、客観的に評価される「ナンバーワン」のチームへ。まだ脱皮できていない。2016年、浦和はあらゆる重圧をはね返し、その殻を突き破るしかない。
 
取材・文:塚越始(サッカーダイジェスト編集部)
 
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