「足りないものがあるから」。主将の阿部が課題に挙げた“規律の整理”と“守備”。
そんななかで、「課題は分かっている」と語ったのが主将の阿部だった。
「(優勝を目の前にした一戦で勝てずにいるのは)足りないものがあるから。良いところは伸ばしていけばいい。でも、不足しているところがあるから。守備もそう。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)の言っていた規律もひとつ。そこをもう一度、整理することが重要。足りないものを補って、チーム全体を上げていかないといけない。ナビスコカップでも、今シーズンのチャンピオンシップでも……タイトルを獲るためには、まだ足りていないということだから」
「足りないものがあるから」と阿部は繰り返した。
「そういった点を意識しないと、勝てるチームにはなっていかない。もう、何回悔しい想いをしてきたかな……。片手では済まない。でも、これでブレてはいけない」
そして2016年の目標について、彼は少し間をおいて言った。
「結果を残すこと。(それはタイトル獲得?)うん、そうなる。責任を自覚してやっていきたい。下を向いているような年齢でもないから」
13年はリーグ最多得点を奪ったものの、シーズン終盤に大量失点を続け、「降格してもおかしくない失点数」(ペトロヴィッチ監督)と守備が破綻し、柏とのナビスコカップ決勝に敗れてから急激に失速した(6位/17勝7分10敗/66得点・56失点)。14年はバランス重視の戦い方に切り替えたものの、今度は終盤に興梠の負傷離脱もあって攻撃面の迫力が失われ、G大阪に残り2節で1位の座を譲った(2位/18勝8分8敗/52得点・32失点)。
そして15年、改めて攻撃に重きを置き、相手を圧倒するような迫力を持とうと取り組んできた。ただ、無敗優勝を果たした第1ステージで好調だった武藤、関根の活躍が落ち着くと、チームの勢いも衰えていった。第2ステージ終盤は、その分の迫力を補おうと、全体的に前掛かりになって、逆に守備が綻びを見せた。チャンピオンシップ準決勝まで9試合連続失点、そして天皇杯の決勝でも2失点と、大事な時期にまたも一度崩れたバランスを持ち直せなかった。
阿部が足りないものとして挙げた「規律の整理」、「守備」の点で言えば、先述した試合終盤の“捨て身の攻撃”もひとつの課題になる。
加えて2016年、守備の最大のキーマンとなるのがGK西川だろう。
15シーズンのベストイレブンに西川は選ばれた。ただし40失点はリーグ5位。彼が40失点を喫したのは広島時代の11年以来、4年ぶりだ。もちろん失点はGKひとりの責任ではないものの、その失点の多さが、やはりタイトルに届かなかった要因のひとつに挙げられる。
リーグ戦終盤に数多くのビッグセーブを見せてチームを救ってきたものの、チャンピオンシップ準決勝と天皇杯決勝では、G大阪の東口にパフォーマンスで上回られた。今回の天皇杯決勝でパトリックに許した先制点は、カバーしていたはずのニアサイドを抜かれたのはGKとしては痛恨だった(最大のミスは、宇賀神と槙野がサイドを攻略されたことにあるが……)。
西川は移籍3年目、30歳の節目を迎える。浦和にタイトルをもたらし、日本代表で確固たる地位を築くには、守備の安定感の向上が必須条件になる。そのためには、彼がよりシビアに「守備の不足」と向き合うべきで、その視点を持つことでチームにもたらされるプラスの効果もきっと多いはずだ(クラブは1月4日、西川が左膝関節遊離体[関節ねずみ]の摘出手術を受け、全治約4週間と診断されたと発表)。
「(優勝を目の前にした一戦で勝てずにいるのは)足りないものがあるから。良いところは伸ばしていけばいい。でも、不足しているところがあるから。守備もそう。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)の言っていた規律もひとつ。そこをもう一度、整理することが重要。足りないものを補って、チーム全体を上げていかないといけない。ナビスコカップでも、今シーズンのチャンピオンシップでも……タイトルを獲るためには、まだ足りていないということだから」
「足りないものがあるから」と阿部は繰り返した。
「そういった点を意識しないと、勝てるチームにはなっていかない。もう、何回悔しい想いをしてきたかな……。片手では済まない。でも、これでブレてはいけない」
そして2016年の目標について、彼は少し間をおいて言った。
「結果を残すこと。(それはタイトル獲得?)うん、そうなる。責任を自覚してやっていきたい。下を向いているような年齢でもないから」
13年はリーグ最多得点を奪ったものの、シーズン終盤に大量失点を続け、「降格してもおかしくない失点数」(ペトロヴィッチ監督)と守備が破綻し、柏とのナビスコカップ決勝に敗れてから急激に失速した(6位/17勝7分10敗/66得点・56失点)。14年はバランス重視の戦い方に切り替えたものの、今度は終盤に興梠の負傷離脱もあって攻撃面の迫力が失われ、G大阪に残り2節で1位の座を譲った(2位/18勝8分8敗/52得点・32失点)。
そして15年、改めて攻撃に重きを置き、相手を圧倒するような迫力を持とうと取り組んできた。ただ、無敗優勝を果たした第1ステージで好調だった武藤、関根の活躍が落ち着くと、チームの勢いも衰えていった。第2ステージ終盤は、その分の迫力を補おうと、全体的に前掛かりになって、逆に守備が綻びを見せた。チャンピオンシップ準決勝まで9試合連続失点、そして天皇杯の決勝でも2失点と、大事な時期にまたも一度崩れたバランスを持ち直せなかった。
阿部が足りないものとして挙げた「規律の整理」、「守備」の点で言えば、先述した試合終盤の“捨て身の攻撃”もひとつの課題になる。
加えて2016年、守備の最大のキーマンとなるのがGK西川だろう。
15シーズンのベストイレブンに西川は選ばれた。ただし40失点はリーグ5位。彼が40失点を喫したのは広島時代の11年以来、4年ぶりだ。もちろん失点はGKひとりの責任ではないものの、その失点の多さが、やはりタイトルに届かなかった要因のひとつに挙げられる。
リーグ戦終盤に数多くのビッグセーブを見せてチームを救ってきたものの、チャンピオンシップ準決勝と天皇杯決勝では、G大阪の東口にパフォーマンスで上回られた。今回の天皇杯決勝でパトリックに許した先制点は、カバーしていたはずのニアサイドを抜かれたのはGKとしては痛恨だった(最大のミスは、宇賀神と槙野がサイドを攻略されたことにあるが……)。
西川は移籍3年目、30歳の節目を迎える。浦和にタイトルをもたらし、日本代表で確固たる地位を築くには、守備の安定感の向上が必須条件になる。そのためには、彼がよりシビアに「守備の不足」と向き合うべきで、その視点を持つことでチームにもたらされるプラスの効果もきっと多いはずだ(クラブは1月4日、西川が左膝関節遊離体[関節ねずみ]の摘出手術を受け、全治約4週間と診断されたと発表)。