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【浦和担当記者の視点】なぜ、大一番で負け続けてきたのか? 「楽しむ」という言葉に抱いてきた違和感

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年01月04日

興梠も攻撃のバランスの悪さを指摘。繰り返される試合終盤の“捨て身の攻撃”は効果的か。

ボランチに入った主将の阿部は守備をこなしつつ、終盤には惜しいミドルを放ったが……。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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【警告】浦和=なし G大阪=宇佐美(35分)、藤春(72分)、丹羽(90+2分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】パトリック(G大阪)

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「僕らはタイトルを獲れていない挑戦者の立場なのだから、先に点を与えてはいけなかった。もちろん、その後、追い付くことはできたのは良かったけど、最後に体力が残っていなかった。(試合終盤について)ズラタンが入った後、強引に崩そうとしすぎた。前線に高さができたけど、相手のCBも高さがある。もうちょっと、自分たちの良さをしっかり活かし、攻めても良かったのかもしれない」
 
 また、両者の「差」について、李は次のように語った。
 
「ガンバのほうが『自信を持っている』と感じた。勝ち切る雰囲気がある。それはレッズもひとつ獲れれば、とんとんとんと行ける気がする」
 
 大一番で繰り返されてきたのが、終盤の“捨て身”の攻撃だ。興梠の指摘は、その点に踏み込んだものと言える。ただでさえ攻撃的な布陣が、より前掛かりになって、なんとか保たれているバランスが崩れてしまうのだ。
 
 今回は森脇(か青木)と阿部が最終ラインに残り、高木と関根がサイドに張り出し、攻撃参加した槙野を含めアタッカーが前線に並び、2-2-6のような布陣になっていた。
 
 ラストに金正也のキックの空振りから、槙野がボレーを放ち決定的なシーンを作った。ただ、あの浦和のコンセプトを崩すことになる、ストッパーの槙野が最前線に入る形を、ペトロヴィッチ監督は効果的だと考えているのだろうか。それこそ、指揮官がこの一戦で重視していた「規律(ディシプリン)」を欠いたようにしか見えなかった。だから、同じ負けパターンが繰り返された、と感じてしまうのだ。
 
 ペトロヴィッチ監督は3-4-2-1システムの採用により、組織的な「全員攻撃・全員守備」を実現させてきた。攻撃時には、前線の3人とウイングバックが攻撃に繰り出し、その後方からストッパーがフォローに回る。槙野や森脇が、相手の最終ラインと中盤の間の“微妙”な位置に入り込み、フリーな状況でボールをさばいたり、相手のマークを引き出したりする。“相手選手がボールを奪いに行きたいけれども、行けない位置”で攻撃の組み立てに加わる、いわば相手を焦らすのがこのシステムでのストッパーの役割だ。
 
 槙野の攻撃参加により、そのバランスが崩れる。しかも、そのためにセカンドボールを拾うのに長けた阿部、ミドルも放てる青木が後方に控えることになる。結果は、“ゴール前を固めればOK”というG大阪の思うツボになっただけだった。
 
 差は紙一重だった。ただ紙一重の差で常に上へ行けずにいるのは、同じ失敗を繰り返しているだけとしか言えない。割り切ってゴール前を固めてカウンターを狙ってくる相手に対する攻略法については、改めて吟味する必要があるだろう。
 
 
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