スアレスがもたらた「メンタル負荷を軽減する」気質
シメオネが守備の無意識化、オートマティズムを構築することに優れた監督であることは誰もが認めている。
しかし、あれだけを追求するとフォワードが死んでしまうし、サイドアタッカーもアタックの能力を認められてチームに加入したはずなのに死んでしまう。どちらかといえば、ボランチタイプのサイドアタッカーが生き残る。シメオネも限界を感じながらも「なぜボールが必要なんだ」とコメントし、ずっと批判を受け続けてきた。
スペインでもシメオネ的な思考の監督も増え、守備ブロックを敷いて堅いサッカーをして結果を出すチームも増えてきた。ただそういうチームがなかなか継続的に結果を出しにくい。それはゴールゲッターをアトレティコほど持ちづらいから。単純に資金に乏しいからね。アトレティコは大きなクラブだからまだゴールゲッターにお金をかけられる。
でも、資金力に乏しいクラブはカウンタ―を決め打ちして質を高めるような方法がどうしても多くなる。セットプレーに特化して鍛える。それがハマったシーズンはうまくいくし、そのサッカーに選手が疲れを覚えたチームは今季のヘタフェじゃないけど、ちょっと疲労感が出て結果が出ない。
そういう負のスパイラルに陥っていないのはシメオネのカリスマ性のなせる業だし、クラブに資金的な体力があった。今シーズンは「とりあえずスアレスを見ておけばいいよね」という目のポジショナルプレーというかね。
スアレスの動きを見逃さない!
スアレスのフリーを見逃さない!
これを合言葉にスアレスありきのポジショナルプレーが成立しつつあって、それぞれの選手の役割が明確になりつつある。それまでは「ここはどうしようか」「ここからどうしようか」というものが散見されていたのが、今シーズンは明確になったことが多い。
しかし、あれだけを追求するとフォワードが死んでしまうし、サイドアタッカーもアタックの能力を認められてチームに加入したはずなのに死んでしまう。どちらかといえば、ボランチタイプのサイドアタッカーが生き残る。シメオネも限界を感じながらも「なぜボールが必要なんだ」とコメントし、ずっと批判を受け続けてきた。
スペインでもシメオネ的な思考の監督も増え、守備ブロックを敷いて堅いサッカーをして結果を出すチームも増えてきた。ただそういうチームがなかなか継続的に結果を出しにくい。それはゴールゲッターをアトレティコほど持ちづらいから。単純に資金に乏しいからね。アトレティコは大きなクラブだからまだゴールゲッターにお金をかけられる。
でも、資金力に乏しいクラブはカウンタ―を決め打ちして質を高めるような方法がどうしても多くなる。セットプレーに特化して鍛える。それがハマったシーズンはうまくいくし、そのサッカーに選手が疲れを覚えたチームは今季のヘタフェじゃないけど、ちょっと疲労感が出て結果が出ない。
そういう負のスパイラルに陥っていないのはシメオネのカリスマ性のなせる業だし、クラブに資金的な体力があった。今シーズンは「とりあえずスアレスを見ておけばいいよね」という目のポジショナルプレーというかね。
スアレスの動きを見逃さない!
スアレスのフリーを見逃さない!
これを合言葉にスアレスありきのポジショナルプレーが成立しつつあって、それぞれの選手の役割が明確になりつつある。それまでは「ここはどうしようか」「ここからどうしようか」というものが散見されていたのが、今シーズンは明確になったことが多い。
さらにスアレスがすごいのはうまくいかない場合に、南米選手特有の「うまくいかないときもあるさ」というメンタリティがプラスに働いている。それが続くとチームとして明らかにリズムが悪くなることが多いのに、そのメンタリティのおかげで引きずらないんだよね。
ストライカー気質とか、味方に怒りながらも自分は瞬間で切り替えられる性格が、攻撃時にうまくいかないときのチームの心の負荷を軽くしたところがあるんじゃないかと思う。
ミスへの恐怖心という意味でもスアレスの存在が大きい。
分析●安永聡太郎
取材・文●木之下潤
【分析者プロフィール】
安永聡太郎(やすなが・そうたろう)
1976年生まれ。山口県出身。清水商業高校(現・静岡市立清水桜が丘高校)で全国高校サッカー選手権大会など6度の日本一を経験し、FIFAワールドユース(現U-20W杯)にも出場。高校卒業後、横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)に加入し、1年目から主力として活躍して優勝に貢献。その後はスペインのレリダ、清水エスパルス、横浜F・マリノス、スペインのラシン・デ・フェロール、横浜F・マリノス、柏レイソルでプレーする。2016年シーズン途中からJ3のSC相模原の監督に就任。現在はサッカー解説者として様々なメディアで活躍中。
ストライカー気質とか、味方に怒りながらも自分は瞬間で切り替えられる性格が、攻撃時にうまくいかないときのチームの心の負荷を軽くしたところがあるんじゃないかと思う。
ミスへの恐怖心という意味でもスアレスの存在が大きい。
分析●安永聡太郎
取材・文●木之下潤
【分析者プロフィール】
安永聡太郎(やすなが・そうたろう)
1976年生まれ。山口県出身。清水商業高校(現・静岡市立清水桜が丘高校)で全国高校サッカー選手権大会など6度の日本一を経験し、FIFAワールドユース(現U-20W杯)にも出場。高校卒業後、横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)に加入し、1年目から主力として活躍して優勝に貢献。その後はスペインのレリダ、清水エスパルス、横浜F・マリノス、スペインのラシン・デ・フェロール、横浜F・マリノス、柏レイソルでプレーする。2016年シーズン途中からJ3のSC相模原の監督に就任。現在はサッカー解説者として様々なメディアで活躍中。