チームの好調の大きな要因の一つはあのMFの復調
ボールを保持できることのメリットはもう一つある。それはコケのパフォーマンスが上がったこと。僕はコケに対して過去2シーズンくらい「プレー精度が落ちたな」という印象を抱いていた。若い頃は常に13キロくらいの走行距離があり、前半だけでも6.5キロとか走りながらも質の高いプレーをしていた。
しかし、一昨シーズンの後半くらいから運動量と質の両立が伴わなくなり、プレー精度が下がっていた。
だから、チームとしてはサウールとトーマス(現アーセナル)のダブルボランチに据え、コケをサイドに置くシーンが増えていた。それはボランチとしては難しいというシメオネの判断だったのだと思う。受けたボールをさばく質の低下、そして奪ったボールをまた回収されることが散見されるようになったから。
ただチームとして「ボールを保持する質を高めることを追求する」ようになって、コケがただ動き回ってパスを受けるだけじゃなく、今シーズンは動かなくてもボールを受けられるシーンが増えてきた。そうすると当然動きながらのプレーが減るのでコントロールに集中できるし、次の局面に全力を費やせる。
チームとして若干ポジショナルプレーっぽいシーンが増えたから、コケのボール保持時のプレー精度が伴うようになった。
今シーズンはコケをボランチに据え、サウールに対して「ボックス・トゥ・ボックス」の仕事をさせるようにしている。彼は空中戦も強いし、潰し役にもなれる選手なので、そのほうがチームとしてはうまく調和する。だから、コケの復調が非常に大きい。
しかし、一昨シーズンの後半くらいから運動量と質の両立が伴わなくなり、プレー精度が下がっていた。
だから、チームとしてはサウールとトーマス(現アーセナル)のダブルボランチに据え、コケをサイドに置くシーンが増えていた。それはボランチとしては難しいというシメオネの判断だったのだと思う。受けたボールをさばく質の低下、そして奪ったボールをまた回収されることが散見されるようになったから。
ただチームとして「ボールを保持する質を高めることを追求する」ようになって、コケがただ動き回ってパスを受けるだけじゃなく、今シーズンは動かなくてもボールを受けられるシーンが増えてきた。そうすると当然動きながらのプレーが減るのでコントロールに集中できるし、次の局面に全力を費やせる。
チームとして若干ポジショナルプレーっぽいシーンが増えたから、コケのボール保持時のプレー精度が伴うようになった。
今シーズンはコケをボランチに据え、サウールに対して「ボックス・トゥ・ボックス」の仕事をさせるようにしている。彼は空中戦も強いし、潰し役にもなれる選手なので、そのほうがチームとしてはうまく調和する。だから、コケの復調が非常に大きい。
それともう一つ。左利きのDFエルモソが機能し始めたことも挙げられる。右サイドのトリッピアーが前に出ていったときにエルモソが左のセンターバックに入って3バックを形成するなど、彼の良さが出るようになった。
チームの地盤であるサビッチとヒメネスの2センターバックが安定していることで、そこに左利きのエルモソがなじみ、さまざまな可変に対応できるようになった。エルモソのビルドアップ能力や縦パスを突ける力、そして力強いプレーは元々の長所で、それがかみ合うようになった。
バルサ戦のゴールも、彼が長いボールを縦に突けたことがキッカケになった。
左利きのCBが縦に長いボールを鋭く入れられるのは、ビジャレアルのパウ・トーレスを含めて貴重な存在。エルモソを含めて、現在のアトレティコは相手によっていろんなメンバー編成を作ることができるので、本当にワクワクする。
さらにシメオネ本人も言っているけど、今シーズンは選手交代が5名できることがチームの可能性を広げたことは間違いない。選手のストレスを発散することができている、と。そういう意味でも、アトレティコはポジティブな要素をかなり全体で持ち合わせている。ジエゴ・コスタのようなファイタータイプの選手が途中から出場できて、攻守両面で活躍できるジョレンテがいて、狭いスペースで相性がいいであろうコレアとルマールがいて、才能豊かなジョアン・フェリックスがいて……と個人的には「すごいチーム」と思う。
一押しはレアル・ソシエダなんだけど、今シーズンはアトレティコも毎回楽しみ。
守備面で「守る、しのぐ、奪う」の使い分け、相手のプレー制限のかけ方など攻撃と切り離して考えるものではないけど、場面ごとにきっちりとした守備は健在だ。そして、これまでは守備のことばかりが目立ってきたアトレティコが「こんな可変するんだ」「この攻撃のクオリティーが高かったな」という感想が出てきて、本当に見ていておもしろい。
ここ数年「ゴールを決めきる」ことに取り組んできたシメオネが「スアレス」というラストピースを得て、監督としての喜びだったり学びだったりを感じていろんな変化があるんじゃないかなと思う。
彼は試合後にダッシュで階段をかけあがって帰っていくのお約束のシーンなんだけど、心なしか後ろ姿が軽やかに弾んでいるように見える。
チームの地盤であるサビッチとヒメネスの2センターバックが安定していることで、そこに左利きのエルモソがなじみ、さまざまな可変に対応できるようになった。エルモソのビルドアップ能力や縦パスを突ける力、そして力強いプレーは元々の長所で、それがかみ合うようになった。
バルサ戦のゴールも、彼が長いボールを縦に突けたことがキッカケになった。
左利きのCBが縦に長いボールを鋭く入れられるのは、ビジャレアルのパウ・トーレスを含めて貴重な存在。エルモソを含めて、現在のアトレティコは相手によっていろんなメンバー編成を作ることができるので、本当にワクワクする。
さらにシメオネ本人も言っているけど、今シーズンは選手交代が5名できることがチームの可能性を広げたことは間違いない。選手のストレスを発散することができている、と。そういう意味でも、アトレティコはポジティブな要素をかなり全体で持ち合わせている。ジエゴ・コスタのようなファイタータイプの選手が途中から出場できて、攻守両面で活躍できるジョレンテがいて、狭いスペースで相性がいいであろうコレアとルマールがいて、才能豊かなジョアン・フェリックスがいて……と個人的には「すごいチーム」と思う。
一押しはレアル・ソシエダなんだけど、今シーズンはアトレティコも毎回楽しみ。
守備面で「守る、しのぐ、奪う」の使い分け、相手のプレー制限のかけ方など攻撃と切り離して考えるものではないけど、場面ごとにきっちりとした守備は健在だ。そして、これまでは守備のことばかりが目立ってきたアトレティコが「こんな可変するんだ」「この攻撃のクオリティーが高かったな」という感想が出てきて、本当に見ていておもしろい。
ここ数年「ゴールを決めきる」ことに取り組んできたシメオネが「スアレス」というラストピースを得て、監督としての喜びだったり学びだったりを感じていろんな変化があるんじゃないかなと思う。
彼は試合後にダッシュで階段をかけあがって帰っていくのお約束のシーンなんだけど、心なしか後ろ姿が軽やかに弾んでいるように見える。