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韓国を圧倒し、ネイマール擁するブラジルに互角。プラチナ世代とはいかなる道を歩んだのか?【名勝負の後日談】

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年06月22日

U-17W杯を経験してロシアW杯に参加したのは柴崎と宇佐美のふたりだけという現実

世代屈指の才能を誇る宇佐美。今後、A代表で大きな爪痕を残せるか。(C) Getty Images

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 だが王国と互角に渡り合い、観客の共感も引き出したプラチナ世代の日本には、不運な結末が待っていた。おそらくラストプレーになるはずだった94分、ブラジルのFKがGK嘉味田隼(当時ヴィッセル神戸)のミスを誘い、これが決勝ゴールとなった。

 さらに2戦目ではスイスに2点のリードを奪いながら3-4で逆転負け、3戦目もメキシコに敗れ、まさかの3戦全敗で大会を去る。FIFA技術委員会の総括は次の通りだ。

「攻撃力は極めて高い。しかし守備と、攻撃時の守備のバランスが良くない」
 結局攻撃的資質の高いタレントが溢れたプラチナ世代だが、池内監督は最後までCBやボランチの人選に苦慮した。

  ◇  ◇  ◇

 早くから嘱望されたプラチナ世代だが、2018年ロシア・ワールドカップの日本代表に選出されたのは計5人。そのうちU-17ワールドカップを経験したのは、柴崎と宇佐美のふたりだけだった。

 彼らは新世代の旗手として世界への挑戦を急いだ。宇佐美は19歳でバイエルンと契約し、宮市はJリーグ未経験のままアーセナルへ移籍し、レンタル先のフェイエノールトでは華々しくブレイクした。だがいよいよ円熟期に入ろうとする今、フル代表の中核として定着しているのは柴崎しかいない。これは当初期待薄と言われた少し上の北京五輪世代とは対照を成している。

 紛れもなくプラチナ世代には、テクニックと身体能力を兼備したエリートが溢れていた。彼らはただの早熟だったのか、あるいは育成過程で何かが不足していたのか。ネイマール、コウチーニョ、カゼミーロらのクラッキが順調にスターダムを上り詰めたブラジルとの比較も含めて、しっかりと検証しておく必要があるはずだ。(文中敬称略)

文●加部 究(スポーツライター)
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