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韓国を圧倒し、ネイマール擁するブラジルに互角。プラチナ世代とはいかなる道を歩んだのか?【名勝負の後日談】

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年06月22日

ブラジルを相手に衝撃を受けたのは…「コウチーニョは倒れない。レベルが違いました」

コウチーニョ(10番)のスルーパスに抜け出したネイマール(11番)が決めた。(C) Getty Images

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 こうして先手を取ったのはブラジルだった。何度かの決定機を演出した後の26分、バイタルエリアでフリーになった左サイドバックのギリェルメがロングレンジから会心のシュートを叩き込んだ。

「この距離なら打たせても大丈夫」

近くにいた小島は、半ばそう見切っていた。
「やはり外国人特有のシュートの意識ですね。あと半歩寄せておくべきでした」

 しかしむしろブラジルの先制は、日本の選手たちを覚醒させ、本来の創造的な大胆さを引き出すことになる。
「もともと失点しないとも点が取れないとも思っていなくて0-0のイメージはなかった」
(内田)

 右サイドから松原のオーバーラップを引き出した日本は、最後に高木がクリーンシュートを決めて追いつく。これで「行けるぞ!」と結束した日本は後半へと勢いを増していく。

 だが67分、劣勢に回ったブラジルがワンチャンスを活かした。チームを象徴する天才ふたりが個人技の連係でカウンターを決めてしまうのだ。コウチーニョがDFから縦パスを引き出したのは自陣で、背中には松原がピタリと張り付いていた。並みの選手なら、前を向いた味方にボールを落とすシーンだ。

 ところがコウチーニョは違った。強引に反転すると、ネイマールが日本の高いディフェンスラインの裏へ抜ける一瞬のタイミングを逃さず絶妙のスルーパスを送る。オフサイドぎりぎりの微妙なタイミングだったが、抜け出したネイマールは冷静にGKをかわして追加点を奪った。

「コウチーニョは身体が小さいのに、実際に当たってみるとすごく重い。外国人は、こちらが手を使うと簡単に倒れる選手が多いんですが、コウチーニョは倒れない。レベルが違いました」(小島)

 しかし84分、日本のカウンターも負けてはいなかった。自陣深い位置で小島がボールを奪うと、一瞬で柴崎が前線でマークの外れた杉本を見つけて正確なパスを送る。

「岳(柴崎)と目が合って、メチャクチャいいボールが来た。足もとに置くと追いつかれるので、前に行こうと思った」(杉本)

 会心のトラップでDFの前に出た杉本が落ち着いて流し込む。
「このチームは、みんなで二手三手先を共有できていて、ミスをしてもカバーをし合い、伸び伸びとプレーしていました」(小島)
 
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