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【安永聡太郎】「バルサより再現性の質が高い」レアル・ソシエダ躍進の秘密を戦術的に徹底解剖!

カテゴリ:連載・コラム

木之下潤

2020年04月30日

際立っていた相手陣内に侵入した際の攻撃に対するケア

 今シーズンのソシエダは、まず相手の守備ラインを張り付かせるために前線が立ち位置を取り、GK含めた後方の選手で数的優位性をうまく使いこなしながら「サリーダ・デ・バロン」の質を高めていきました。その土台をじっくりと構築したおかげで、相手陣内に安定して侵入することが可能になりました。

 さらにアルグアシル監督の戦術家としての才能の高さを示したのは、相手陣内での守備への備えです。

 若いチームなのでまだまだ全体的に個のミスによる失点は多いですが、相手の陣地で主導権を握っているときも、2CBとピボーテ、メリーノ、さらに攻撃と逆SBの1枚が必ず守備のために相手の攻撃に蓋をする立ち位置を取り続けていました。つまり、後方で「2-3」もしくは「2-2」というシステムになっていたということです。

 この守備時のポイントは「SBがどこまでポジションを絞るのか」という点ですが、ここにおけるSBの判断とポジショニングの修正はすごくマメにしていました。

 やはり攻撃だけが良くても、リーガで中堅クラブが4位まで上がるのは厳しい。カウンターへの対策までセットで危機管理を行い、ここまでのチームを作り上げたアルグアシル監督の手腕は、おそらく現地でも相当評価を高めているはずです。

 来シーズンがどうなるかはまだ先が見えないですが、順調に結果を出せばビッグクラブを指揮してもおかしくない監督の一人です。

分析●安永聡太郎
取材・文●木之下潤

【分析者プロフィール】
安永聡太郎(やすながそうたろう)
1976年生まれ。山口県出身。清水商業高校(現静岡市立清水桜が丘高校)で全国高校サッカー選手権大会など6度の日本一を経験し、FIFAワールドユース(現U-20W杯)にも出場。高校卒業後、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に加入し、1年目から主力として活躍して優勝に貢献。スペインのレリダ、清水エスパルス、横浜F・マリノス、スペインのラシン・デ・フェロール、横浜F・マリノス、柏レイソルでプレーする。2016年シーズン途中からJ3のSC相模原の監督に就任。現在はサッカー解説者として様々なメディアで活躍中。
 
 
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