「『そろそろしなきゃ』に意識は変わってきている」
──元キャプテンの森重選手には、“キャプテン東”はどう映っていますか?
「チームを文字通り引っ張っているし、頼もしいです。声を出して味方を鼓舞してくれる選手がいると、やっぱり引き締まります。責任感を醸し出す選手が他にも出てくれば、FC東京もより強固な集団になれるはずです」
──ズバリ、リーグ優勝するためのポイントは?
「ポイント……。う~ん、どうだろう(笑)。優勝したい気持ちはもちろんありますが、そこを意識しすぎてリスクを冒さないプレーに終始してしまうのは違うかなと。あえてポイントを挙げるなら、昨季に優勝争いから脱落した経験を生かせるか、です。その反省を踏まえて前半戦はトータルで見れば良い戦いができたわけですから、後半戦も“経験”から(リーグ優勝に向けての)ヒントを得たいです」
──経験と言えば、森重選手はFC東京に加入した2010年からこのクラブでレギュラーの座を守っています。これは大きな財産ですよね?
「ひとつの自信にはなります」
──主力としてプレーしつづけられる要因は?
「試合に出たい、このポジションを渡したくない。誰にも負けたくない。根底にあるのは、そういう気持ちです。クラブが良い選手を補強するたびに『負けてたまるか』と自分を奮い立たせています。要するに、負けず嫌いなんです(笑)」
──同じセンターバックでは今季、渡辺(剛)選手が台頭してきた印象です。彼のようなルーキーの活躍は刺激になりますか?
「もちろん。自分が若い時も『先輩に負けたくない』という想いでやっていましたし、チームメイトからいろんなものを吸収しようとも考えていました。渡辺選手もそういうスタンスでいるだろうし、渡辺選手の良いところを僕も学びたいです。互いに切磋琢磨できればいいですよね」
──代表活動の負担が結果的になくなっている今季は、良い意味でクラブに専念できていますよね。これがコンディションに与える影響は?
「当然ながらあります。良いトレーニングをこなしつつ、休養も十分に取れていますから、コンディショニングはしやすくなりました。だからといって、代表に選ばれたくないというわけではありません。むしろ復帰したいと強く思っているし、チャンスをもらえるなら代表活動に参加したいです。代表戦があれば、それはそれでそのリズムが心地いいので。まあ、でも今はまずFC東京でやるべきことをやらないといけないのでクラブの試合に集中したいです」
──そんな森重選手のキャリアで足りないのが、J1のリーグタイトルです。
「『そろそろしたいなあ』から『そろそろしなきゃ』に意識は変わってきています(笑)。年齢的(32歳)にも、そろそろ獲らないとダメですね。このチームでリーグ優勝したい気持ちは強いです。少し前までは僕が代表に入って先頭を走っていましたが、今は現役代表の橋本選手や室屋選手ら中堅どころが中心になって、自分や林選手、髙萩選手など代表経験者がサポート役に回っている。ベテランと若手の融合というわけではないですが、そうしたバランスはすごく良いと感じています」
──念願のリーグ制覇を成し遂げるためには、川崎は絶対に倒さなければいけない相手です。
「直接対決は実質的に“勝点6”の価値があるので、多摩川クラシコで川崎に勝てれば大きな自信になるし、精神的にも優位に立てるはずです。終盤戦より中盤戦で対戦できて良かったです」
──その理由は?
「ここで川崎を倒せれば、その後の戦いに向けてチームの士気が高まりますから。後半戦を戦い抜くうえで、そうした勢いは極めて大事です」
<プロフィール>
もりしげ・まさと/1987年5月21日生まれ、広島県出身。183㌢・76㌔。J1通算331試合・26得点。J2通算37試合・6得点。日本代表通算41試合・2得点。Jリーグベストイレブン(13~16年)。広島高陽FC-広島Jrユース-広島皆実高-大分―FC東京(19年7月7日現在)。フィジカル能力に長けたJリーグ屈指のCB。日本代表として14年のブラジル・ワールドカップに出場し、その後、アギーレ、ハリルホジッチの両体制下でもプレーした。パスセンスに優れ、ビルドアップ能力も高い。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
「チームを文字通り引っ張っているし、頼もしいです。声を出して味方を鼓舞してくれる選手がいると、やっぱり引き締まります。責任感を醸し出す選手が他にも出てくれば、FC東京もより強固な集団になれるはずです」
──ズバリ、リーグ優勝するためのポイントは?
「ポイント……。う~ん、どうだろう(笑)。優勝したい気持ちはもちろんありますが、そこを意識しすぎてリスクを冒さないプレーに終始してしまうのは違うかなと。あえてポイントを挙げるなら、昨季に優勝争いから脱落した経験を生かせるか、です。その反省を踏まえて前半戦はトータルで見れば良い戦いができたわけですから、後半戦も“経験”から(リーグ優勝に向けての)ヒントを得たいです」
──経験と言えば、森重選手はFC東京に加入した2010年からこのクラブでレギュラーの座を守っています。これは大きな財産ですよね?
「ひとつの自信にはなります」
──主力としてプレーしつづけられる要因は?
「試合に出たい、このポジションを渡したくない。誰にも負けたくない。根底にあるのは、そういう気持ちです。クラブが良い選手を補強するたびに『負けてたまるか』と自分を奮い立たせています。要するに、負けず嫌いなんです(笑)」
──同じセンターバックでは今季、渡辺(剛)選手が台頭してきた印象です。彼のようなルーキーの活躍は刺激になりますか?
「もちろん。自分が若い時も『先輩に負けたくない』という想いでやっていましたし、チームメイトからいろんなものを吸収しようとも考えていました。渡辺選手もそういうスタンスでいるだろうし、渡辺選手の良いところを僕も学びたいです。互いに切磋琢磨できればいいですよね」
──代表活動の負担が結果的になくなっている今季は、良い意味でクラブに専念できていますよね。これがコンディションに与える影響は?
「当然ながらあります。良いトレーニングをこなしつつ、休養も十分に取れていますから、コンディショニングはしやすくなりました。だからといって、代表に選ばれたくないというわけではありません。むしろ復帰したいと強く思っているし、チャンスをもらえるなら代表活動に参加したいです。代表戦があれば、それはそれでそのリズムが心地いいので。まあ、でも今はまずFC東京でやるべきことをやらないといけないのでクラブの試合に集中したいです」
──そんな森重選手のキャリアで足りないのが、J1のリーグタイトルです。
「『そろそろしたいなあ』から『そろそろしなきゃ』に意識は変わってきています(笑)。年齢的(32歳)にも、そろそろ獲らないとダメですね。このチームでリーグ優勝したい気持ちは強いです。少し前までは僕が代表に入って先頭を走っていましたが、今は現役代表の橋本選手や室屋選手ら中堅どころが中心になって、自分や林選手、髙萩選手など代表経験者がサポート役に回っている。ベテランと若手の融合というわけではないですが、そうしたバランスはすごく良いと感じています」
──念願のリーグ制覇を成し遂げるためには、川崎は絶対に倒さなければいけない相手です。
「直接対決は実質的に“勝点6”の価値があるので、多摩川クラシコで川崎に勝てれば大きな自信になるし、精神的にも優位に立てるはずです。終盤戦より中盤戦で対戦できて良かったです」
──その理由は?
「ここで川崎を倒せれば、その後の戦いに向けてチームの士気が高まりますから。後半戦を戦い抜くうえで、そうした勢いは極めて大事です」
<プロフィール>
もりしげ・まさと/1987年5月21日生まれ、広島県出身。183㌢・76㌔。J1通算331試合・26得点。J2通算37試合・6得点。日本代表通算41試合・2得点。Jリーグベストイレブン(13~16年)。広島高陽FC-広島Jrユース-広島皆実高-大分―FC東京(19年7月7日現在)。フィジカル能力に長けたJリーグ屈指のCB。日本代表として14年のブラジル・ワールドカップに出場し、その後、アギーレ、ハリルホジッチの両体制下でもプレーした。パスセンスに優れ、ビルドアップ能力も高い。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)