シメオネ・アトレティコの「独自トレーニング」を考察。異彩を放つハイインテンシティーの源とは?

カテゴリ:ワールド

カルレス・クアドラット

2017年03月17日

OBアルダが語るシメオネ・サッカーの厳しさとは?

シメオネ(右)の下で3年半プレーしたアルダ(左)。その感想とは? (C)Getty Images

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 ただ一方で、こうしたシメオネのインテンシティー重視のサッカーは、選手たちに多大な負担を強いているのも事実だ。
 
 現在はバルサに所属するアルダ・トゥランは15年夏まで3年半、シメオネの下でプレーした。私はこのトルコ代表MFとは、ガラタサライでフィジカルコーチとして指導をした時に意気投合し、今も頻繁に連絡を取り合う仲。そんなアルダがある日、シメオネのスタイルについてこう漏らしていた。
 
「3シーズン半やって、もうクタクタだった。まずシメオネのサッカーには、ポジションを問わず全選手に、プレスやリトリートなど激しい動きと運動量を伴うプレーを課すという考えが大前提としてある。さらに僕の場合は、ボールをすぐに回収できない時は全速力で自陣に戻ることを義務付けられていた。加えて、マイボール時には相手選手に囲まれる中で、味方の攻め上がりを待つ役割を任されていたんだ。1対2の数的不利の状況なんて当たり前で、1対3のケースもざらにあった。僕のボールキープからカウンターに繋げるという約束事がチーム内にあったからだけど、孤立無援の状況が大半でね。もちろん練習でも、そうした高いインテンシティーを攻守にわたって試合で発揮できることを念頭に置いたメニューをたくさんやった。個別のトレーニングメニューも細かく組まれていたよ」
 
 ご存知のように、アルダは巧みなボールテクニックを持ち味とするアタッカーだ。口には出さなかったが、バルサのようなパスを重視するチームに移籍したことで、どこかほっと一息ついている印象だった。
 
 もちろん、アトレティコの練習においても、ロンドに代表されるポゼッション、ボールテクニックがメインの練習がないわけではない。いまや全世界において、ロンドは当たり前のように取り入れられており、それはアトレティコとて例外ではない。
 
 とはいえ、ポジション別練習をはじめとしたインテンシティーの強化を重点に置いた練習の数々が、シメオネ・サッカーの独自性の礎となっているのは間違いない。
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