時代の流れに逆らうロングボール練習も躊躇なく導入する。
他のポジションの練習内容も説明しよう。まずFWは、アントワーヌ・グリエーズマン、フェルナンド・トーレス、ケビン・ガメイロらにペアを組ませ、実際の試合でメインにプレーするポジションに配置。そして、お互いパス交換やオフ・ザ・ボールの動きでスペースを突くなどして、フィニッシュまで持っていかせる。こうした反復練習を2対1、3対2など試合に即したシチュエーションで行ない、コンビネーションを磨いていく。
次にMFは、まず自陣のペナルティーエリア近くで待機。2本の短いパス交換を経てロングボールを放り込ませた後、相手ゴールめがけて長い距離を走らせ、そのリターンボールをシュートさせる。まさにボックス・トゥ・ボックス型のMFの動きで、コケやサウール・ニゲスが実際の試合でよく見せるプレーだ。
最後にSBは、自陣で味方とパス交換をさせた後、一気にサイドを駆け上がらせる。そのまま敵陣のバイタルエリアに入ろうかというタイミングで、味方からのリターンパス。ドリブルやフェイントでコーンやダミー人形をかわさせた後、中央にクロス、という流れだ。
すべてのトレーニングに共通しているのは、試合に即したシチュエーションの下で連続して行なう点に重点を置いていること。これによりテクニックと戦術眼に加え、フィジカル、メンタルの心身両面をシメオネ・サッカーの肝であるハイインテンシティーに耐えられるレベルにまで引き上げていくわけだ。
シメオネ流トレーニングのもうひとつの特徴も、まさにこのポジション別の練習に如実に表われている。パスによるポゼッション保持を最初から放棄しているかのように、躊躇なくロングボールを放り込むメニューを頻繁に取り入れているのだ。
バルセロナやスペイン代表の躍進でパスサッカーが脚光を浴びて以来、中盤を省略してDFにロングボールを蹴らせるだけの練習は、「時代遅れ」という考えが監督たちの間で定着した。したがってどこのチームでも、ポジショニング、スモールスペースでのパス回しにポイントを置いたメニューを練習に取り入れるようになった。
しかし、極めて現実主義であるシメオネは、その点を完全に割り切っている印象だ。それこそバルサのように最終ラインと中盤にパスワークに長けた人材が揃っていない以上、無理に繋ごうとしてもリスクが高すぎる。ならば、間違った意識を選手たちに与える危険性のある練習は必要ない――。それがシメオネの考え方なのだろう。
次にMFは、まず自陣のペナルティーエリア近くで待機。2本の短いパス交換を経てロングボールを放り込ませた後、相手ゴールめがけて長い距離を走らせ、そのリターンボールをシュートさせる。まさにボックス・トゥ・ボックス型のMFの動きで、コケやサウール・ニゲスが実際の試合でよく見せるプレーだ。
最後にSBは、自陣で味方とパス交換をさせた後、一気にサイドを駆け上がらせる。そのまま敵陣のバイタルエリアに入ろうかというタイミングで、味方からのリターンパス。ドリブルやフェイントでコーンやダミー人形をかわさせた後、中央にクロス、という流れだ。
すべてのトレーニングに共通しているのは、試合に即したシチュエーションの下で連続して行なう点に重点を置いていること。これによりテクニックと戦術眼に加え、フィジカル、メンタルの心身両面をシメオネ・サッカーの肝であるハイインテンシティーに耐えられるレベルにまで引き上げていくわけだ。
シメオネ流トレーニングのもうひとつの特徴も、まさにこのポジション別の練習に如実に表われている。パスによるポゼッション保持を最初から放棄しているかのように、躊躇なくロングボールを放り込むメニューを頻繁に取り入れているのだ。
バルセロナやスペイン代表の躍進でパスサッカーが脚光を浴びて以来、中盤を省略してDFにロングボールを蹴らせるだけの練習は、「時代遅れ」という考えが監督たちの間で定着した。したがってどこのチームでも、ポジショニング、スモールスペースでのパス回しにポイントを置いたメニューを練習に取り入れるようになった。
しかし、極めて現実主義であるシメオネは、その点を完全に割り切っている印象だ。それこそバルサのように最終ラインと中盤にパスワークに長けた人材が揃っていない以上、無理に繋ごうとしてもリスクが高すぎる。ならば、間違った意識を選手たちに与える危険性のある練習は必要ない――。それがシメオネの考え方なのだろう。