「2年契約で、あと1年。いらない! と言われない限りバンコクでプレーするつもり」
――タイで3シーズン通してプレーされてみて、永里選手は“タイのサッカー”をどう感じていらっしゃいますか?
う~ん、難しいですね。日本サッカーとの比較という尺度でも『類が違う』ので難しいかなと思いますね。簡単に言えば、日本は組織、タイは個人勝負の集合体なんです。またJリーグで活躍できたからといって、タイで活躍できるとは限らないとも思います。プレーレベルとかではなくて、先ず環境に適応しなければ、その先はないですから。間違いなくメンタルは鍛えられますよ~(笑)。
――タイでプレーして“こいつはヤバい!”と感じた選手はいましたか?
外国人選手になってしまうのですが、ラチャブリーでチームメイトだったヘベルチ(草津、C大阪、仙台でもプレーした経験を持つブラジル人選手)は凄い選手です。Jリーグ時代の彼を知るファンからすると別人じゃないかと思うくらいに成長して、何でもできる選手へ変貌を遂げていますよ。実際タイでの実績(2014年は26得点で得点王、2015年には19得点)が買われて、今はサウジアラビアの強豪チーム(アル・シャバブ・リヤド)でプレーしていますし。
――ポートFCのクラブオーナー(マダム・ペーン/保険会社を経営する美魔女的実業家)は、タイサッカーファンの間ではかなりの有名人です。実際どんな方なのでしょうか?
そこまで話す機会は多くないのですが、非常に選手思いのオーナーだとは感じます。
――先日スタジアムへ現場取材へ寄らせてもらった際に、試合後のVIPゲート横にオーナーのロールスロイスが横付けされているのを見てびっくりしました。
家も強烈ですよ~。よく自宅に選手を招待してくれて食事を振舞ってくれるのですが、そこでも選手思いで、タイ飯が苦手な外国人選手向けに洋食も用意してくれたりとすごく気を遣ってくれるんです。しかもその洋食がすごく美味しくて。ハイソサエティな気分を味わえるひとときです(笑)。
――私はポートFCのホーム“PATスタジアム”が大好きなんです。バンコクの中心地にあってサッカー専用、ファンは良くも悪くも熱狂的でスタジアムの雰囲気が素晴らしい。試合の日はお祭りのような活気で満ち溢れています。私のスケールでは“これぞ首都クラブのホーム”という感覚なんです。
実は今シーズンの開幕戦、試合前のエピソードなんですが、ウチのチームは試合当日、スタジアムへ自分で移動するんです。Jリーグではないスタイルですよね。私は練習日と同じ道で向かったのですが、毎日通っている導線上にその屋台群があることを知らなかった私は、盛り上がっているファンの間をコソっと通り抜けようと試みたのですが、捕まってしまって。開幕戦前に受けた『熱烈なホームの洗礼』でした(苦笑)。
――場所柄、ファンにはファラン(白人)も多く、入場前に屋台でビールをたらふく飲んで開始ギリギリにスタジアムになだれ込む“サッカー先進国スタイル”ですよね。
そうそう、試合開始前にはスタンドが空いているのに、始まって気が付くと一杯になっているみたいなね。
――基本タイでは自らが応援するチームには優しいファンが多いように思うのですが、試合中のスタジアムでやじられることはありますか?
ウチのスタジアムに限って言えば、スタンドとピッチが近いので、ラチャブリー時代に遠征へ来た時にその迫力が半端なくって、やり難かったことはありました。あの雰囲気はタイでもそう多くはないので、その空気感に慣れていなくてビビってしまうタイ人選手も結構いますよ(笑)。逆にホームとなった今はファンと一緒に戦っている感じが強いです。
――ポートFCとも“単年契約”なのでしょうか?
いや、2年契約です。あと1年残っているので、要らない!と言われない限りは来年もバンコクでプレーするつもりです。
――タイへ来て良かったですか?
もちろんですよ。人として成長出来ていると日々感じてられていますから。
■プロフィール
永里源気(ながさと・げんき)
1985年生まれ、神奈川県厚木市出身。2004年に湘南ベルマーレユースからトップチームに昇格、翌05年にプロ選手としてデビューしブレイクする。09年の東京ヴェルディを皮切りに、アビスパ福岡、ヴァンフォーレ甲府、FC東京、ガイナーレ鳥取を渡り歩き、14年にタイのラチャブリー・ミッポンFCへ移籍。16年シーズンはポートFCでプレーし、チームを1年でのPLT復帰昇格に貢献。左右を問わずサイドを主戦場とするアタッキングプレーヤーとして、また労を惜しまずに駆け回る姿にはファンからの信頼も厚い。30歳にして一男二女のパパでもある。
う~ん、難しいですね。日本サッカーとの比較という尺度でも『類が違う』ので難しいかなと思いますね。簡単に言えば、日本は組織、タイは個人勝負の集合体なんです。またJリーグで活躍できたからといって、タイで活躍できるとは限らないとも思います。プレーレベルとかではなくて、先ず環境に適応しなければ、その先はないですから。間違いなくメンタルは鍛えられますよ~(笑)。
――タイでプレーして“こいつはヤバい!”と感じた選手はいましたか?
外国人選手になってしまうのですが、ラチャブリーでチームメイトだったヘベルチ(草津、C大阪、仙台でもプレーした経験を持つブラジル人選手)は凄い選手です。Jリーグ時代の彼を知るファンからすると別人じゃないかと思うくらいに成長して、何でもできる選手へ変貌を遂げていますよ。実際タイでの実績(2014年は26得点で得点王、2015年には19得点)が買われて、今はサウジアラビアの強豪チーム(アル・シャバブ・リヤド)でプレーしていますし。
――ポートFCのクラブオーナー(マダム・ペーン/保険会社を経営する美魔女的実業家)は、タイサッカーファンの間ではかなりの有名人です。実際どんな方なのでしょうか?
そこまで話す機会は多くないのですが、非常に選手思いのオーナーだとは感じます。
――先日スタジアムへ現場取材へ寄らせてもらった際に、試合後のVIPゲート横にオーナーのロールスロイスが横付けされているのを見てびっくりしました。
家も強烈ですよ~。よく自宅に選手を招待してくれて食事を振舞ってくれるのですが、そこでも選手思いで、タイ飯が苦手な外国人選手向けに洋食も用意してくれたりとすごく気を遣ってくれるんです。しかもその洋食がすごく美味しくて。ハイソサエティな気分を味わえるひとときです(笑)。
――私はポートFCのホーム“PATスタジアム”が大好きなんです。バンコクの中心地にあってサッカー専用、ファンは良くも悪くも熱狂的でスタジアムの雰囲気が素晴らしい。試合の日はお祭りのような活気で満ち溢れています。私のスケールでは“これぞ首都クラブのホーム”という感覚なんです。
実は今シーズンの開幕戦、試合前のエピソードなんですが、ウチのチームは試合当日、スタジアムへ自分で移動するんです。Jリーグではないスタイルですよね。私は練習日と同じ道で向かったのですが、毎日通っている導線上にその屋台群があることを知らなかった私は、盛り上がっているファンの間をコソっと通り抜けようと試みたのですが、捕まってしまって。開幕戦前に受けた『熱烈なホームの洗礼』でした(苦笑)。
――場所柄、ファンにはファラン(白人)も多く、入場前に屋台でビールをたらふく飲んで開始ギリギリにスタジアムになだれ込む“サッカー先進国スタイル”ですよね。
そうそう、試合開始前にはスタンドが空いているのに、始まって気が付くと一杯になっているみたいなね。
――基本タイでは自らが応援するチームには優しいファンが多いように思うのですが、試合中のスタジアムでやじられることはありますか?
ウチのスタジアムに限って言えば、スタンドとピッチが近いので、ラチャブリー時代に遠征へ来た時にその迫力が半端なくって、やり難かったことはありました。あの雰囲気はタイでもそう多くはないので、その空気感に慣れていなくてビビってしまうタイ人選手も結構いますよ(笑)。逆にホームとなった今はファンと一緒に戦っている感じが強いです。
――ポートFCとも“単年契約”なのでしょうか?
いや、2年契約です。あと1年残っているので、要らない!と言われない限りは来年もバンコクでプレーするつもりです。
――タイへ来て良かったですか?
もちろんですよ。人として成長出来ていると日々感じてられていますから。
■プロフィール
永里源気(ながさと・げんき)
1985年生まれ、神奈川県厚木市出身。2004年に湘南ベルマーレユースからトップチームに昇格、翌05年にプロ選手としてデビューしブレイクする。09年の東京ヴェルディを皮切りに、アビスパ福岡、ヴァンフォーレ甲府、FC東京、ガイナーレ鳥取を渡り歩き、14年にタイのラチャブリー・ミッポンFCへ移籍。16年シーズンはポートFCでプレーし、チームを1年でのPLT復帰昇格に貢献。左右を問わずサイドを主戦場とするアタッキングプレーヤーとして、また労を惜しまずに駆け回る姿にはファンからの信頼も厚い。30歳にして一男二女のパパでもある。