【現地発】どこよりも詳しい「イカルディ自伝問題」の顛末…なぜ大騒動に?

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2016年10月18日

ガゼッタ紙には「ミランは天国」、「インテルは地獄」の見出しが躍る。

カリアリ戦で公式戦3連敗を喫し、再びクビが危うくなってきたデブール監督にとって、イカルディ問題はまさに泣きっ面に蜂だ。(C)Getty Images

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 翌日(17日月曜日)のマスコミの論調は、珍しくかなりばらけたものになった。
 
 ミラノに本拠を置く『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は、一面上段に「ミランは天国」という見出しでキエーボに勝って2位タイに躍進したミランをフィーチャーし、中段にはさらに大きく「インテルは地獄」という見出しでイカルディ騒動とカリアリ戦の敗北にあえぐインテルを取り上げるという形で、地元ミラノの2チームを対比させた。
 
 興味深かったのは、「イカルディとキャプテンマーク、危険なゴール裏」というタイトルの論説記事だ。無条件でウルトラスの側に立つコメントを出したサネッティ副会長と、そのウルトラスの振る舞いに反発してイカルディ支持の姿勢を打ち出したゴール裏以外のサポーターとの“食い違い”に触れ、イカルディの自伝の内容をチェックできなかったことも含め、インテルのクラブとしての対応に問題があったのではないか、と指摘する記事が掲載されたことだ。
 
 同じRCSグループ(オーナーはトリノ会長でもあるウルバーノ・カイロ)が発行する一般紙『コリエーレ・デッラ・セーラ』が中立的な立場を保ったのに対して、同紙と発行部数トップを争うライバル紙『ラ・レプブリカ』は、スポーツ面のトップに「我がキャプテンよ、さようなら:インテルはウルトラスと向かい合うイカルディを見放す」という見出しを打ち、クラブの姿勢を批判する立場を明確にした。
 
「サポーターは何よりも重要だ、とサネッティは言うが、それではPKを失敗したイカルディを拍手で激励しウルトラスにブーイングする大多数の観衆はサポーターではないというのか」
 
 試合翌日の月曜日、チームはオフだったが、クラブ首脳(マイケル・ボーリングブロークCEO、サネッティ副会長、アウジリオSD、チームマネジャーのジョバンニ・ガルディーニ)、フランク・デブール監督が、午前11時からトレーニングセンターにイカルディを召喚して70分間の事情聴取を行ない、引き続き今後の対応を協議した。
 
 インテルのオフィシャルサイトに、クラブとしての公式見解が発表されたのは17時23分。その内容は次のようなものだった(オフィシャルサイトに日本語訳も掲載されているが、以下は筆者によるイタリア語からの翻訳)。
 
「FCインテルツィオナーレは、今日午前中の首脳陣とマウロ・イカルディの会談の結果、ネラッズーロのキャプテンに対して、選手全員が署名しているクラブの内規に違反したことに対する処分を行うことを決めた。マウロ・イカルディは、当サイトinter.itにおいて、昨日の出来事およびクラブの決定についての意見を明らかにすることを望んだ」
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