【現地発】どこよりも詳しい「イカルディ自伝問題」の顛末…なぜ大騒動に?

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2016年10月18日

ウルトラスは「キャプテンマークを外せ、このイカサマ野郎」と大激怒。

インテルのウルトラスはカリアリ戦で、「自分を正当化して我々の顔に泥を塗るために子供を引き合いに出す…お前は男じゃない、キャプテンでもない、ただの卑劣な糞野郎だ」などと書かれた辛辣な横断幕を掲げた。(C)Getty Images

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 これに対して、槍玉に挙げられたウルトラスは、インテル対カリアリ戦の当日である10月16日の午前中、ゴール裏のオフィシャルサイト「クルヴァ・ノルド・ミラノ 1969」を通じて長い声明文を発表し、子供からシャツを取り上げたという一連の記述について事実無根の捏造だとして、イカルディを強く糾弾した。
 
「サッスオーロでの出来事を語るイカルディは嘘つきだ。あの日、チームメイトが彼の胸ぐらをつかんでサポーターに対して傲慢な振る舞いをしないよう要求したことを、ここでわざわざ蒸し返したいとは思わないのだが……」
 
「子供を引き合いに出して、自分の立場が上だと我々に示すためにありもしないことを捏造する。我々は子供たちにコレオグラフィーを手伝ってもらう唯一のゴール裏だと誰もが知っている事実を無視するかのように。その場にいた人々が、そこで本当に何が起こったのか、誰が誰を挑発したのかをすっかり忘れたとでも言わんばかりに」
 
「イカルディと我々の関係は終わった。いま我々はこう要求する。キャプテンマークを外せ、このイカサマ野郎」
 
 ちなみに、このサッスオーロ戦終了後のゴール裏のやり取りの場面については、『You Tube』などネット上にニュース映像やゴール裏から携帯電話で撮影した投稿動画など、いくつかの映像が残っている。それを見ると、ゴール裏最前列に殺到しているのは、選手たちに対して怒りをぶつけようと怒鳴り散らしている頭に血が上った男たちばかりであり、イカルディが書いている子供の姿は見当たらない。その場の状況自体、子供が選手にユニホームをせがむような雰囲気とはかけ離れた、殺気立った空気に支配されていたことが分かる。
 
 ウルトラスの声明文を受けて、イカルディはカリアリ戦の数時間前にSNSを通じて長い、そして釈明じみたコメントを出し、「親愛なるクルヴァ・ノルド」に対して「私は驚き、そして残念に思っています」という和解のメッセージを送った。
 
 しかし、これに何の効果もなかった、それどころかむしろ逆効果だったことは、その日の午後、カリアリ戦のキッキオフ前にサン・シーロで起こった出来事からも明らかだった。ウルトラスはクルヴァ・ノルドに次のような横断幕を張り出し、イカルディに容赦のない罵声とブーイングの口笛を浴びせたのだ。
 
「自分を正当化して我々の顔に泥を塗るために子供を引き合いに出す…お前は男じゃない、キャプテンでもない、ただの卑劣な糞野郎だ」
 
「イカルディ、恥知らずは本を売るために嘘八百を並べ立てるお前の方だ。卑怯な傭兵め」
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