イブラ、バロテッリ、ポグバをどう動かした? 代理人ミーノ・ライオラの剛腕エピソード

カテゴリ:移籍情報

片野道郎

2016年08月22日

誰に嫌われようが、どんな評判が立とうが、まったく気にしない。

マスコミを使った陽動作戦はライオラのいわば十八番。トラッシュトークで交渉先のクラブを揺さぶる。(C)REUTERS/AFLO

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 ライオラの最大の強みは、一旦選手を移籍させると決めたら、なりふり構わずあらゆる手を使ってそれ実現させる剛腕ぶりにある。値段を決め、移籍先を探し出し、双方のクラブに何度でも足を運んで、揺さぶり、説得し、なだめすかし、時には脅しをかけながら交渉を進め、契約の詳細を詰めるまですべてを自らの手でお膳立てする。誰に嫌われようが、どんな評判が立とうが、まったく気にしない。
 
 移籍データベースサイト「transfermarkt」によれば、現在ライオラの顧客となっている選手51人で、その市場価値総額は約2億9000万ユーロ(約348億円)に上る。これはランキング6位にあたるが、1位から5位まではすべて複数の代理人をかかえる大手エージェンシー会社が占めており、単独のエージェントとしては破格の数字と言っていい。
 
 それだけの選手を抱え、いくつものビッグディールを実現してきた結果、ライオラは今や自らの総資産も数億ユーロに上る大富豪になった。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』におると、ポグバの取引を含めて今夏だけですでに5000万ユーロ(約60億円)を稼いでいるという。
 
 近年はエージェント業だけでは飽き足らず、自らクラブを買収してオーナーになろうという考えも持ち始めているようだ。今年5月のインタビューでは、2011年に前オーナーのセンシ家の手を離れたローマの買収に水面下で動いたこともあったと明かしている。
 
 今後は移籍マーケットだけにとどまらず、様々な舞台でサッカー界を騒がせる存在になっていくかもしれない。
 
文:片野道郎
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