「川崎で初タイトルを獲ったら、被り物でもなんでもやる。そういう想像は自然と膨らむ」
――終盤戦までG大阪の宇佐美貴史選手と得点王争いを演じましたが、彼の活躍をどう見ていましたか?
宇佐美が序盤戦でゴールを量産する姿を見て、『今季は負けたな』と正直思いました。ハイペースで点を取っていたし、あの勢いだと自分の3年連続得点王はさすがに厳しいなと。やっぱり勢いって大事ですから。夏場に4点差にされた時は『もう終わった』と、一度は諦めました。
――しかし、そこから宇佐美選手は失速し、大久保選手はコンスタントにゴールを重ねました。
彼も大きなプレッシャーを感じていたと思いますよ。また海外に移籍するかもしれないし、今回のチャンスを逃せば、いつ得点王を獲れるか分からない。彼に訊いても『なにも意識しなかった』と言うかもしれないですが、同じ点取り屋の心境を考えれば、相当なプレッシャーがあったのは間違いないですね。
――第2ステージ15節・横浜戦の終盤で退場処分になり、得点王争いをするなかで翌節を欠場しました。退場を告げられた時の心境は?
とにかくビックリしました。俺はなにもしていなかったので。結果的に得点王になれましたが、一番安心しているのは、ひょっとしたら横浜戦を裁いた主審かもしれません(笑)。それは冗談としても、15節終了時点で得点ランク2位とは3ゴール差だったので、どうにかなるだろうと思ったのも事実です。
――今年10月、闘病中だった奥さんを力づけようと、大久保選手と3人のお子さんが丸刈りになりました。3年連続得点王は、家族への最高の贈り物になりましたね。
そう思ってもらえれば本当に嬉しいです。これで獲れていなかったら、精神的にどん底まで落ちていたかもしれない。奥さんは『おめでとう』と言ってくれたし、笑ってシーズンを締めくくれたのがなによりで、とにかくホッとしました。それに子どもたちも、学校で『得点王、凄いね』と言われるのは絶対に嬉しいはずだから、彼らを喜ばせてあげたいという気持ちも強かったです。
――来季は4年連続得点王の期待が膨らむなか、サポーターは〝川崎のヨシト〞として狙ってほしいと願っているはずです。
まだ判子は押していませんが、川崎との契約が残っていますからね。4年連続得点王はもちろん目標です。ただ、それ以上に川崎で初タイトルを獲得したいし、もう『良いサッカーをするチーム』では物足りない。
川崎は地域密着クラブなので、優勝したらどうなるのかなと、ふとした時に思うんです。これだけ愛されているクラブなので、タイトルを獲得したら絶対に盛り上がりますよね? だから、優勝の美酒をみんなで味わいたいと本気で思っています。初タイトルを獲った後なら、被り物でもなんでもやりますよ(笑)。そういう想像は自然と膨らんでいるので、実現できるように全力を尽くします。
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
宇佐美が序盤戦でゴールを量産する姿を見て、『今季は負けたな』と正直思いました。ハイペースで点を取っていたし、あの勢いだと自分の3年連続得点王はさすがに厳しいなと。やっぱり勢いって大事ですから。夏場に4点差にされた時は『もう終わった』と、一度は諦めました。
――しかし、そこから宇佐美選手は失速し、大久保選手はコンスタントにゴールを重ねました。
彼も大きなプレッシャーを感じていたと思いますよ。また海外に移籍するかもしれないし、今回のチャンスを逃せば、いつ得点王を獲れるか分からない。彼に訊いても『なにも意識しなかった』と言うかもしれないですが、同じ点取り屋の心境を考えれば、相当なプレッシャーがあったのは間違いないですね。
――第2ステージ15節・横浜戦の終盤で退場処分になり、得点王争いをするなかで翌節を欠場しました。退場を告げられた時の心境は?
とにかくビックリしました。俺はなにもしていなかったので。結果的に得点王になれましたが、一番安心しているのは、ひょっとしたら横浜戦を裁いた主審かもしれません(笑)。それは冗談としても、15節終了時点で得点ランク2位とは3ゴール差だったので、どうにかなるだろうと思ったのも事実です。
――今年10月、闘病中だった奥さんを力づけようと、大久保選手と3人のお子さんが丸刈りになりました。3年連続得点王は、家族への最高の贈り物になりましたね。
そう思ってもらえれば本当に嬉しいです。これで獲れていなかったら、精神的にどん底まで落ちていたかもしれない。奥さんは『おめでとう』と言ってくれたし、笑ってシーズンを締めくくれたのがなによりで、とにかくホッとしました。それに子どもたちも、学校で『得点王、凄いね』と言われるのは絶対に嬉しいはずだから、彼らを喜ばせてあげたいという気持ちも強かったです。
――来季は4年連続得点王の期待が膨らむなか、サポーターは〝川崎のヨシト〞として狙ってほしいと願っているはずです。
まだ判子は押していませんが、川崎との契約が残っていますからね。4年連続得点王はもちろん目標です。ただ、それ以上に川崎で初タイトルを獲得したいし、もう『良いサッカーをするチーム』では物足りない。
川崎は地域密着クラブなので、優勝したらどうなるのかなと、ふとした時に思うんです。これだけ愛されているクラブなので、タイトルを獲得したら絶対に盛り上がりますよね? だから、優勝の美酒をみんなで味わいたいと本気で思っています。初タイトルを獲った後なら、被り物でもなんでもやりますよ(笑)。そういう想像は自然と膨らんでいるので、実現できるように全力を尽くします。
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)