決勝戦は不可解なジャッジで明暗…だが選手たちは涙を拭き自責を追求した
選手権兵庫県予選の決勝で、明暗を分けたのはレフェリーの不可解なジャッジだった。大会が始まる前に審判部は「ハンドの判定」について入念な説明を施し「バンザイをしているような姿勢でも、明確に阻止しようという意図が見えなければ取らない」と宣したそうだ。だが終了2分前に滝川二にPKを与えたシーンで、至近距離からのシュートが腕に当たった日高の肘は、明白に身体に密着している。
一方直後の相生のクロスを滝川二のDFがエリア内でブロックした時は、肘を高く上げていた。客観的にどちらもハンドを取らないのが妥当だろうが、あまりに2つの判定基準はかけ離れていた。
3年生が12人、相生の選手たちは、数えきれる程度の応援団の前で号泣した。だが涙を拭くと、彼らは自責を追求し始めた。
「オレたちが2点を取れば勝てていたんだ」
そして今は総監督に立場を変えた上船が、特に最上級生たちに向けて言った。
「いろいろあったけれど、みんながこのプロジェクトを正解にしてくれた。永遠のナイスゲーム!」
ドイツでプレーした現役時代から指導者に転身したサッカー人生を通して、上船にはこれほど至福を覚えた試合の記憶はない。(文中敬称略)
取材・文●加部 究(スポーツライター)
3年生が12人、相生の選手たちは、数えきれる程度の応援団の前で号泣した。だが涙を拭くと、彼らは自責を追求し始めた。
「オレたちが2点を取れば勝てていたんだ」
そして今は総監督に立場を変えた上船が、特に最上級生たちに向けて言った。
「いろいろあったけれど、みんながこのプロジェクトを正解にしてくれた。永遠のナイスゲーム!」
ドイツでプレーした現役時代から指導者に転身したサッカー人生を通して、上船にはこれほど至福を覚えた試合の記憶はない。(文中敬称略)
取材・文●加部 究(スポーツライター)