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「サッカーがメンタルスポーツである、と改めて認識した6試合」。反町技術委員長が東京オリンピックを総括

カテゴリ:日本代表

増島みどり(スポーツライター)

2021年08月20日

フィジカル、テクニックに続く、メンタルの強化を見直す重要性

メキシコとのメダルマッチでは遠藤(6番)も精彩を欠き……。メンタルの重要性を認識させられた試合でもあった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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──メンタル、と簡単に呼んでしまうが、五輪期間中、これらの重要性や、コロナ禍で取り組む新たな課題として考えさせられました。

反町 サッカーがメンタルスポーツである、と改めて認識した6試合だった。精神的な疲れだけではなく、悔しさや、ミスを、頭のなかでいかにリセットし、メンタリティにおけるリバウンド力を付けておくか、これはメダル獲得国とは違ったかもしれない。総括で丁寧に考えていきたい。

──期間中、森保監督も会見で再三、フィジカル、メンタルの疲労を抜いて、と次戦への準備に口にしていました。

反町 帯同している中で、選手が抱えるストレス、それは、試合の強度が高まれば高まるほど大きくなるもので、例えば、環境は整備してあげられても、場所は動けない。いつもなら、家族や友人と話す、会場で大きな声援を受けるといった機会も作れない。従来のストレスとは異なったメンタルの重圧をどう取り除き、フレッシュに試合に向かってもらうか。非常に大事な課題だ。
 

──選手層は厚くなり、収穫も多かった。

反町 オーバーエイジ3人は、ピッチ内外でのリーダーシップを発揮してくれた。吉田はメキシコ戦(8月6日)の前、自分から「原爆忌に黙とうをしたい」と言ってきてくれた。私たちもFIFA(国際サッカー連盟)と相談するなど、ピッチで実現できなかったが、これに代表されるように、そういう社会や世界を捉える広い視野を持ってくれたのは、若いチームに本当にいい影響をもたらした。最後の日にミーティングで、皆はこれから必ず、東京オリンピック代表の、と紹介される。だからさらに高い向上心を持ってサッカーに取り組み、向こう10年、日本代表を引っ張る存在になるのを忘れないで欲しいと伝えた。これは3敗ではあったが北京五輪の時にも同じく、選手に最後に伝えた言葉。実際に北京の彼らも10年に渡って、日本を引っ張ってきてくれた。

──ワンチームの真価が問われる最終予選がもう始まります。

反町 これほど不確定要素が多い予選もかつてないのではないか。最終予選は、短期決戦とはまた違った力を集結させるシリーズになる。五輪代表からさらに力を伸ばして層の厚さを持ち、どんな変化やアクシデントにも対応できる強さも備えていないといけない。そしてこの五輪で、改めてサポーター、ファンの皆さんの声援の力を現場で再認識した。日本代表が良い試合をすれば盛り上がる。こうした難しい時代、この機運は下げることなく、最終予選でもずっと保っていきたいと思っている。

取材・文●増島みどり(スポーツライター)

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