ダニ・アウベスとヴェルメーレンは事実上の補強。

補強禁止処分は小さくない痛手だが、処分が明ける2016年1月までの半年間は現有戦力で乗り切れるはず。いずれにしても、タイトルを重ねて黄金期を再構築するうえで重要なのは、その1月の移籍市場。すでにアレイクス・ビダル(写真)の獲得が決まっている。 (C) Rafa HUERTA
豊福:ふたたび黄金期が始まるのか、その鍵になる来シーズンですが、いきなり試練がありますよね。補強禁止というペナルティです。夏の移籍市場で選手を新たに獲得することができない。
ロホ:たしかに大きな痛手だ。ネイマール、スアレス、ラキティッチと、近年は毎年大物を加えていたわけだから。
ただ、事実上の補強と言えるのが、ヴェルメーレンだ。1年目の今シーズンは、怪我でほぼ丸々棒に振った。
ダニ・アウベスもそう言えるだろう。退団が濃厚だったが、契約延長が決まって残留した。
豊福:あとはレンタル復帰組ですね。シャビの移籍で中盤はひとつ穴が開いた。セビージャのデニス・スアレスは絶対に呼び戻すべきでしょう。2年間のレンタル契約だったので違約金が必要にはなりますが。
セビージャにレンタル中のもうひとり、デウロフェウは微妙ですね。エメリ監督にも評価されず、ほとんど出番がありませんでした。
ロホ:カンテラにはハリロビッチ(MF)、アダマ(FW)、ムニル(FW)、サンドロ(FW)なんかもいるけど、トップチームに上がっても出場機会があるとは思えない。
3冠を成し遂げた主力はそのまま、ラフィーニャ、ペドロ、セルジ・ロベルト、バルトラ、マテューという控えの顔ぶれも同じ。そこにデニス・スアレス、ヴェルメーレンを加えて半年間を乗り切る。それでいいんじゃないか。
豊福:そして補強禁止処分が明ける2016年1月の冬のマーケットで、必要な部分を補う。セビージャからの獲得が決まったアレイクス・ビダルはそのひとりですね。
ロホ:ポグバとも交渉しているし、1月の移籍市場はクラブにとって大きなポイントとなるだろう。
豊福:第二次黄金期を築くには、来シーズン、少なくともリーガかCLは取らなければならない。ペップの2年目、09-10シーズンと比較しながら見るのも面白いですね。ペップはリーガ連覇を果たし、CLはベスト4でした。
構成・文:豊福晋
協力:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ紙) Luis Fernando ROJO(MARCA)
【著者プロフィール】
豊福晋
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
Luis Fernando ROJO
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
ロホ:たしかに大きな痛手だ。ネイマール、スアレス、ラキティッチと、近年は毎年大物を加えていたわけだから。
ただ、事実上の補強と言えるのが、ヴェルメーレンだ。1年目の今シーズンは、怪我でほぼ丸々棒に振った。
ダニ・アウベスもそう言えるだろう。退団が濃厚だったが、契約延長が決まって残留した。
豊福:あとはレンタル復帰組ですね。シャビの移籍で中盤はひとつ穴が開いた。セビージャのデニス・スアレスは絶対に呼び戻すべきでしょう。2年間のレンタル契約だったので違約金が必要にはなりますが。
セビージャにレンタル中のもうひとり、デウロフェウは微妙ですね。エメリ監督にも評価されず、ほとんど出番がありませんでした。
ロホ:カンテラにはハリロビッチ(MF)、アダマ(FW)、ムニル(FW)、サンドロ(FW)なんかもいるけど、トップチームに上がっても出場機会があるとは思えない。
3冠を成し遂げた主力はそのまま、ラフィーニャ、ペドロ、セルジ・ロベルト、バルトラ、マテューという控えの顔ぶれも同じ。そこにデニス・スアレス、ヴェルメーレンを加えて半年間を乗り切る。それでいいんじゃないか。
豊福:そして補強禁止処分が明ける2016年1月の冬のマーケットで、必要な部分を補う。セビージャからの獲得が決まったアレイクス・ビダルはそのひとりですね。
ロホ:ポグバとも交渉しているし、1月の移籍市場はクラブにとって大きなポイントとなるだろう。
豊福:第二次黄金期を築くには、来シーズン、少なくともリーガかCLは取らなければならない。ペップの2年目、09-10シーズンと比較しながら見るのも面白いですね。ペップはリーガ連覇を果たし、CLはベスト4でした。
構成・文:豊福晋
協力:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ紙) Luis Fernando ROJO(MARCA)
【著者プロフィール】
豊福晋
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
Luis Fernando ROJO
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。