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120分で“引き分け”は妥当な結果。厳しく評価すべきは攻撃面。NZの布陣変更にも面食らったか【東京五輪】

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2021年08月01日

全体的には両チームが決定的な攻め手を欠いたままPK戦に

所属クラブ鹿島のホームスタジアムでの一戦で、上田への期待は高まったが、82分の決定機はモノにできなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 ニュージーランドが前からのプレッシャーを強める分、全体が間延びして縦に運べるスペースは得られたが、逆に日本も選手間に距離ができてしまい、前線の林や左の相馬がサポートの弱い状態で、個人の勝負を挑むシーンが目立つようになった。

 逆にニュージーランドは2トップを起点に左のマコワット、右サイドハーフに移動したガーベットが危険な存在になってきた流れで、森保監督は左サイドバックに守備的な中山雄太を入れて、旗手を前に出すプランで対応する。前線には林に代えて、怪我から復調してきた上田綺世を投入した。

 鹿島所属の上田にとってはホームのカシマスタジアムということもあり、俄然期待が高まったが、82分、この日最大のチャンスとなった堂安の絶好クロスからのダイレクトシュートをGKマイケル・バウドに阻まれた。

 逆にニュージーランド側の攻撃は冨安のあわやオウンゴールというシーンもあったが、GK谷とセンターバックの二人、さらに橋岡と途中出場の中山が粘り強く対応していた。延長戦にはウッドに合わせたクロスのこぼれ球をペナルティエリア内でエリジャ・ジャストに拾われ、ジャストがピッチに滑って助けられたシーンもあったが、全体的には両チームが決定的な攻め手を欠いたままPK戦となった。

 ニュージーランドが日本の良さを消しつつもそれで終わらず、ほぼイーブンな流れだった。その中でチャンス自体は日本がやや上回ったという試合展開だったが、最低でも決め切るべきシーンは二度あった。それでも120分で“引き分け”というのは、公平に見たら妥当な結果だ。
 
 準決勝の相手はスペインなので、同じ流れになることはないだろう。失点のリスクは間違いなく高まる代わりに、カウンターなどの突きどころもより生じてくるはず。

 メダル獲得を考えれば、PK戦だろうと勝ち進めばOKなわけだが、五輪に限らず日本代表として1つ宿題をニュージーランドから与えられたような試合だった。そしてニュージーランドは、選手たちがA代表の主力になる頃に、日本代表との対戦を見たいと思わせてくれる好チームだった。

文●河治良幸

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