森保監督も「選手たちにはペース配分をあまり考えすぎることなく、まずは今持っているものを見せて欲しい」とコンディションを上げるために、選手には頑張ってもらったと言っていました。今回は意図的にそういうところで選手に長くプレーさせたということで、本番になれば選手交代で流れをどう持ってくるか。これから暑さもいろいろと関係していくと思うので、それを含めたゲームマネジメントも必要でしょう。

　前半のような形が狙いだと思うので、それはチーム全体での共有が出来ていたと思います。攻守一体というのが非常に大事で、前半のようにできると相手に与えるダメージもデカイ。ボールをやっと奪ってもまた奪い返されるということで、精神的なダメージもあります。実際に走らされることもあって体力的にも苦しくなります。そういう部分で相手の心を折ることも大事でしょう。

　今回は、後半相手に盛り返す隙を与えてしまったのが修正ポイント。前半のような戦いをどの時間帯までできるのか、選手交代でどう変えていくのか。プラス、得点を奪えた時間帯は良かったのですが、まだ得点できる状況でもあったので、しっかりと追加点を入れることで、もっともっと自分たちのリズムでゲームを進められる部分もあると思います。
 

　修正点もありましたが、それでも、目指している形が大会前にしっかりと見えて、選手たちも手応えを掴めた試合だと思います。選手のコンディションも、これでまた上がってくるような状況を作れて、良いサイクルで本大会を迎えられるのではないでしょうか。

　コンディションを上げるには、もちろんトレーニングして、食事を摂って、休息をするという事が前提ですが、選手としては自分が思ったようなプレーが出来ているときが一番ノッていきます。ホンジュラス戦の前半は各選手が自分の特長を発揮し、やるべきことが出来ていたので、すごく良い感触が掴めた一戦だったと思います。

【著者プロフィール】
市川大祐（いちかわ・だいすけ）／1980年５月14日、静岡県出身。現役時代は日本代表の右サイドバックとして活躍したクロスの名手。1998年に17歳でA代表デビューすると、2002年の日韓W杯でも活躍。アカデミー時代から過ごした清水ではクラブ歴代３位となる325試合に出場した。2016年に現役引退後は指導者の道に進み、現在は清水エスパルスJr.ユースU-15で監督として活躍中。

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