EUROも示唆…五輪はベストメンバーだけで絶対に勝ち抜けない大会。メダル獲得に必要なビジョンとは?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年07月13日

【識者コラム】EUROの「死の組」突破チームは揃って早期敗退。五輪はより厳しい日程だが…

日本の屋台骨を支える冨安、遠藤、吉田。彼らが常にベストコンディションで出場できるとは限らない。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

画像を見る

 頂点を競うには1か月間に7試合を消化しなければならないEURO(欧州選手権)は、実力の接近したチームが集結し消耗戦となった。計720分間プレーしたイタリアは、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマの719分間を筆頭に25人がピッチに立ち、うちトータルで1試合分の90分間以上プレーした選手が21人に達した。また最初から「死の組」で激闘が続いたフランス、ドイツ、ポルトガルは、揃ってラウンド16で大会を去っている。

 ただしEUROには移動の負荷もあったが、準決勝以降は涼しいロンドンが舞台だった。それに対し真夏開催の東京五輪は、高温多湿の劣悪条件下で中2日での5連戦、決勝に進めばそこだけ中3日で6連戦となる。絶対にベストメンバーだけで戦い抜けるスケジュールではなく、むしろ明暗を分けるのは不測の事態に対しての準備と柔軟な采配だ。そしてホンジュラス戦は、まさにその予兆とも言える試合となった。
 
 前半の日本は、ホンジュラスにシュートもクロスもペナルティエリア内への侵入も許していない。攻撃が成功裏に終わらなくても、相手のビルドアップやクリアを高い位置で回収し波状攻撃を繰り返したから、ホンジュラスに勝機はまったく見えて来なかった。日本は2ゴールを奪った上に決定機を4度は築いており、もし本大会のグループリーグなら3点目を挙げた時点で主力を休ませる早めの交代策が求められるところだった。

 ところが後半開始からホンジュラスが動いたことで、試合の流れは一変した。一気に5人を代えたホンジュラスは、後半開始5分、初めて右からクロスを上げ、交代出場のリバスがエリア内フリーでボールを受けた。結局その後1点を返してからさらに勢いづき、暫くゲームは1点差のまま推移した。改めて悪条件下でのフレッシュなパワーの威力を思い知らされた一戦となった。

 もちろん日本には、ACLに出場した三笘薫、旗手玲央、瀬古歩夢がベンチ入りできず、上田綺世が故障中など苦しい台所事情があった。しかしホンジュラス戦は、本大会前に様々な実験ができる最後の機会と言っても良かった。森保一監督は「勝って勇気を与えたい」と決まり文句を繰り返して来たが、極論を言えばホンジュラス戦は勝敗以上にチームの幅(可能性)を確認することが肝要だった。

【五輪代表PHOTO】U24日本3-1U24ホンジュラス|吉田、堂安の2得点でホンジュラスを相手に3-1の勝利!

【五輪代表PHOTO】ヨドコウ桜スタジアムに駆けつけた日本代表サポーターを特集!
【関連記事】
【セルジオ越後】後半のペースダウンは大きな課題…「金メダルを目指す」って王者みたいな雰囲気だけど大丈夫?
「ボールを運ぶことすらできなかった」U-24日本代表の強さにホンジュラス指揮官も脱帽!
後半にガクッと落ちたホンジュラス戦のペース配分の狙い。森保一監督が語った五輪本番へのピークの持っていき方
金田喜稔がホンジュラス戦を斬る!「前半は完璧。ただ後半は…。ゲームコントロールの再整理が必要だ」
【ホンジュラス戦|戦評】前半と後半はまるで別のチーム。五輪本番に向けて課題が浮き彫りになったのが“最大の収穫”

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • ワールドサッカーダイジェスト WSD責任編集
    9月10日発売
    欧州サッカークラブ
    選手名鑑の決定版!
    2021-22 EUROPE SOCCER
    TODAY 開幕号
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト 9月23日号
    9月9日発売
    緊急提言
    この布陣で
    W杯最終予選を突破せよ!!
    日本代表「最強スタメン」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    9月16日発売
    2021ー2022 SEASON
    出場32チームを完全網羅
    CL選手名鑑
    顔写真&データが充実!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.33
    7月28日発売
    2年ぶりの本大会開催!
    インターハイ選手名鑑
    出場全52校・1040選手を網羅
    データ満載の決定版
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ